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第162回通常国会 外務委員会 2005年03月30日
○赤松委員長 次に、大谷信盛君。
○大谷委員 民主党、大谷信盛でございます。
きょうは、FTAを中心に四つのテーマについて御質問させていただきたく思っております。あのスマトラの新たに現地時間三月二十八日に起こりました地震について、そして春暁のガス油田、日中関係について、そしてもう一つが今開催中でございます愛知万博について、簡単に質問をさせていただきたいと思っております。
まず最初に、新たに発生いたしましたスマトラ沖の大地震について、新聞報道ですと、きのうは二千人の方が被害に遭った、きょうの新聞ですと四百人の方が死亡されたというような報道になっておりますが、現状をどんなふうに把握されておられるのか。
また、きのうの新聞ですと、邦人は四十七名中四十六人、アチェですけれども安否が確認されておる、また一番被害の多かったインドネシアのニアス島においては、二名の日本人がおり、日本人二名の安全が確認されたというような報道がきょうの朝ございましたが、今どのような状況で、どのように把握されて、どのような邦人保護をされているのか、教えていただけますでしょうか。
○鹿取政府参考人 まず、邦人の安否状況について御説明いたします。
地震発生後、直ちにアチェにあります在インドネシア大使館臨時事務所を通じまして安否確認に努めてまいりました。臨時事務所の方で我々が把握している、すなわち届け出のある邦人の方々は四十九名おられます。その四十九名のうち四十八名については安全を確認しております。あと一名の方については、そもそもまだアチェにおられるかどうかも我々として必ずしも十分に把握しておりませんけれども、いずれにいたしましても、これからも鋭意、安否確認のための努力を行いたいと思います。
また、今委員御指摘の新聞報道の件に関しまして、私どもも、実際に個人の旅行の方々がどの程度おられるかというのは十分把握できないんですが、邦人の旅行者が例えば島で一人発見されて、その方から無事であるという連絡を受けたという情報は我々も受けております。こういう情報についても、引き続き鋭意確認に努めてまいりたいと思っております。
○町村国務大臣 以上のような状況でございまして、これに対して、政府として千五百万円相当の毛布、テント等を送るということを決めて、これはシンガポールの方に私どもストックを持っておりますので、多分そこから持っていくと思います。
それから、国際緊急援助隊医療部隊を本日中に現地に、たしか十一名だったと思いますが、これを派遣して取り急ぎ対応していこう、今後さらにどういう対応が必要なのかということは、現地の状況を見ながら、また先方の政府等と話し合いをしながら、またさらに必要な対応はしていこう、こう思っているところであります。
○大谷委員 ありがとうございます。四十九名中四十八人の安全が確認された、また、ほかにおられるかどうかということをしっかりと把握するよう努力されているということでございますので、ぜひともそこは努力していただきたいというふうに思います。
この四十八人の方々、そんな被害に遭っていないから大丈夫なのか。被害に遭っていて、前回のスマトラ沖大地震のときのように、海岸ですから、海辺で、海水パンツ一丁、水着一丁でということで避難された方も多く、そんな中、お金も持っていなければ身分を証明するものもないというような状況で在外公館に助けを求めても、なかなか連絡がうまいこといかなかったりとかというようなことも聞きましたので、そんなことがないようにしていただきたいというふうに思っておりますが、その辺はどうですか、四十八名について。
○鹿取政府参考人 私どもが今まで得ている情報に基づいて申し上げますと、四十八名の方々が特に困難な状況に陥っているということは承知しておりません。
○大谷委員 大臣に要望したいんですけれども、今先ほど、十一名の医療チームそれから一千五百万円分の毛布が救援として送られる、その後、現地の政府とやりとりしながら支援を考えていくということでございますけれども、何か聞いていますと、津波の警報が非常に遅かったというようなことがありまして、日本ですと、諸外国に比べてどれぐらい津波の警報体制というものが進んでいるのかわかりませんが、そんな警報体制のノウハウを意見交換し提供できるようなこととか、そんなにお金をかけなくても済むけれども、しかしながら非常におくれているようなところで、お互い切磋琢磨して、お互いの安全性を高められるような協力、研究というようなことができるというふうに思うんです。
そんな、きめ細かなというか、象徴的な支援というか協力体制をぜひつくっていただいて、しっかりと末長く地域の復興に関与していただきたいというふうに思うんですけれども、何か町村外務大臣的なリーダーシップを発揮しようと思っているようなところはございますでしょうか。
○町村国務大臣 気象庁の方からは、地震発生後約一時間たったところで、我が方出先大使館、あるいは先方のインドネシア等の関係国政府に対しても、津波に関する情報は提供したと聞いております。
また、津波の早期警戒システムというものを、太平洋地域の方はあるんですがインド洋地域にないということで、これは一月十九日から神戸で開かれました国連防災世界会議の場等を通じまして、関係国がいろいろ集まって、どういう形でそれをつくるのかという議論が既に相当始まっております。
そのようなことで、タイとかあるいはインドとかあるいはインドネシア、こういう国々を中心に、そういった新しいシステムをインド洋の方でもつくろうではないか、もちろん私どもそういうノウハウの蓄積も相当あるわけでございまして、最大限そういったことに協力をしようということで、今専門家同士の議論がかなり進んでいる、このように聞いておりますので、そういった方面でもできる限りの協力をしてまいりたいと考えております。
○大谷委員 新聞報道によりますと、これからもまだ、余震というか、マグニチュード七以上の地震が地域において発生するような可能性もあるということでございますので、ぜひとも抜かりなく日本の役割を果たしていただきたいというふうに思います。
それでは、FTAについての質問に移りたいというふうに思います。
いよいよ、あしたあさって、四月一日からメキシコとのいわゆるEPA、FTAが発効いたします。日本国にとっては二つ目のFTA、EPAの条約の開始でございます。そんな中、今週初め、先週末、新聞報道を見ておりますと、日本とタイとの貿易自由化、FTA交渉というものが膠着状態であるとかというような報道がなされております。
それの中身を紹介いたしますと、砂糖やでん粉というタイ側が望んでいた自由化の物品というものを譲歩したということで、日本側が自由化を望んでいる工業品目、例えば鉄鋼であったり自動車であったりするようなものも譲歩をしてもらわなければというような背景の中で、なかなか交渉が進んでいないというふうに聞いております。
それで、きのうは次官級の協議があったそうでございますが、今どんな状況で進んでいるのか、簡単に御説明いただけますでしょうか。
○中富政府参考人 お答えいたします。
先生御指摘のように、今までタイとは六回の協議を行い、また今週タイにおきましてハイレベルの協議を行っているところでございます。
日タイのEPA交渉におきましては、それぞれの関心項目が当然違っておりまして、日本側は鉄鋼、自動車等の鉱工業品や、それからハイレベルな投資サービスのルール等に関心がございます。タイは、今農産物の御指摘ございましたが、農水産品やそれから人の移動に関心を有しております。現在、精力的に交渉が進んでいるところでございます。
交渉中の事項につきまして詳細に申し上げることはできませんけれども、解決すべき点がまだ多く残されております。いずれにいたしましても、我が国といたしましては、この協定が日本、タイ双方にとりまして利益のある協定となるよう、引き続き交渉を通じまして努力をしたいというふうに考えております。そのような精神で、今交渉を行っております。
○大谷委員 今粘り強く交渉とおっしゃいましたが、そこの部分をきょうは強調させていただきたいというふうに思っております。自由化度の低いEPA、FTAであったならば、僕はやらない方がましだというふうに思っています。
それで、今粘り強く交渉している中身、具体的には交渉中であるからということでございますけれども、最終的な交渉のあるべき姿として、では、鉄鋼や自動車なんかが自由化をされていなかったら、自由度の低いものであって、余り意味のないような交渉になってしまうということをおっしゃったんですか。
○中富政府参考人 交渉の具体的な詳細について申し上げるわけにはいきませんが、鉄鋼や自動車の分野、それから投資サービスのルール等が日本の主要な関心項目であることは間違いございません。そうした項目について、できるだけ日本の主張を通せるように交渉を進めていくというのが必要でございます。
○大谷委員 大臣、今交渉中だということで、中身を具体的にはという話でございましたが、私の感じているところによりますと、農業でタイ側が自由化できなかったから工業品目でもなかなか日本が望むような自由化はできないんじゃないかというような状況にあるというふうに思うんです。
そんな中、取りまとめ官庁が外務省でございますので、いろいろな官庁が絡んでいる中で、ひとつリーダーシップを発揮していただかないといけないというふうに思うんですが、どんなふうにこの交渉経過を見、どのようにしていこうと思っていらっしゃるんでしょうか。
○町村国務大臣 昨年の十二月の二十一日に経済連携促進関係閣僚会議というものを開きまして、改めて今後の経済連携協定の推進についての基本方針というものを決めたわけであります。これも外務省が原案を書き、各省と協議をして取りまとめたものでございまして、その中にもやはり、WTOを中心とする自由貿易体制を補完するものとしてのEPA、FTAの交渉である、そして、それはお互いの、それぞれの国の構造改革の推進にも資するものでなければならないという基本的な考え方が述べられている。ほかにも幾つかの点が、東アジア共同体等々、書いてございます。
そういう観点からいたしますと、今委員御指摘の、農業で、言葉はなんでございますが低いレベルで妥結したんだから、工業製品も低いレベルでいいのではないかということになるかというと、それは違うと思います。やはり、もちろん、タイのお米など、日本にとっては最もセンシティブな品目というものはありますから、すべてというわけにはそれはなかなかまいりません。ただ、できる限り農産品についても今精力的に交渉しておりまして、先日の、今行われております会議でもかなり農産物分野の議論が進展を見た、こう私は聞いております。
それとともに、今、一部工業品の関税、投資ルールにつきましても、やはり私どもとしては、それらについてかなり大きな進展がなければいけないだろう、こう思っておりまして、願わくは春ごろまでにとか、目標はあるわけでございますけれども、余りその目標期限にとらわれずに、じっくりと腰を据えて交渉をすべきであろう、かように考えております。
また同時に、今タイはアメリカともFTAの交渉をやっております。そんな中身も横目で見ながら、十分に日本にとって、またタイにとって、双方が満足し、納得し得るものに仕上げるように引き続き努力をしてまいりたいと考えております。
○大谷委員 四月末までにまとめるようなつもりで頑張るんだという新聞報道ですけれども、今大臣おっしゃったように、僕は焦っちゃいけないというふうに思うんですよね。中国におくれをとるなとかいろいろな言われ方がされておりますけれども、中身が大事だというふうに思いますので、ぜひとも、五月になろうとも六月になろうとも、自由度の高いものをつくるというところで尺度を持っていただいて、ぜひリーダーシップを発揮していただきたいというふうに思っております。
続いて、このFTAの交渉をしていく順番ということ、もっと言いかえるならば戦略性ということについて議論をさせていただきたいというふうに思います。まさに、どこの国と交渉し、どこの国と先に結んでいくか。
例えばタイですと、自動車産業が向こうでもそれなりに盛んです。そして、日本の部品もたくさん輸出し、日本の自動車を世界に輸出するときタイというような場所を経由してやっていくとか、いわゆる産業の集積地にしていくとかというような経済戦略もそこには絡まれてきます。すなわち、順番が非常にFTAの交渉の中では重要なんだということなんです。
今、スイスとの交渉が始まるや始まらないとかというようなことを聞くんですが、これはどういう戦略に基づいて話が出てきたんですか。一度、予算委員会で先月大臣とやらせていただきましたけれども、残念ながら時間切れでしっかりとただすことができませんでしたので、もう一度教えていただきたいと思います。
○町村国務大臣 スイスとのお話は、昨年十月に、スイスのダイス大統領、当時でございますけれども、訪日をされたときに、先方から、これまで両国で行われた研究がFTA交渉につながることを期待する、こういう発言があったわけでございまして、これに対して小泉総理の方からは、双方の貿易・投資拡大のために何ができるかを考えていきたいということで、これを受けて現在政府部内で検討しているという状況でございます。したがって、スイスとFTA交渉を開始するか否かについて現時点で決定をしていないわけでございます。
それでは、どういう基準で、どういう考え方で今後進めていくのかということでございます。
これは、先ほど申し上げました昨年十二月の関係閣僚会議の基本方針というものの中にそこの大筋の考え方が載っているわけでございまして、特に地域的なことを言うならば東アジア共同体、特に経済面でのつながりを深めていこうという、アジアの国々を中心にやっていこうではないかということで、現在もフィリピン、タイ、マレーシア、韓国、まあ韓国はちょっと今の状況ではなかなか進めない状況がございますが、さらにこの春からはASEAN全体、それからインドネシア、こういうところがこれから作業が始まっていくということで、基本的には、今、東アジアの地域を中心としてやっていこうではないか、こういう考え方でいるわけであります。
そういう意味で、私どもとしてはそこを中心にいたしますが、ただ、その他の地域については一顧だにしないかというと、それはちょっとしゃくし定規過ぎるのかもしれないな。相手側からの強い要望というものもありますし、ただそれは要望だけではなくて、その国の持っている日本との関係、あるいは、例えばなぜメキシコをやったかというと、一つの大きな理由は、メキシコの場合は、国連に、日本とメキシコで協定を結ばないと著しく日本が貿易・投資の局面で不利になってしまうという、メキシコは大変FTAに世界じゅうの国と熱心でありますので、そういったことを考慮したものですから、メキシコともやろうではないかというようなことも決めたわけであります。
したがって、余りしゃくし定規に、アジア以外一切やりませんというわけにもいかない。ただ、スイスについてはそういう意味ではまだまだFTA交渉を始めるという前段階の勉強をしている段階だ、こんなふうに御理解をいただければ、結果としてFTAに進むのかどうかということも含めて、まだそういう意味では何ら決まっていないという状態にございます。
○大谷委員 なるほど。やる、やらないじゃなくて、やるのがいいのか、いつがいいのか、一体順番的にはどれぐらいお互いのメリットがあるのかということを今検討しているという段階だということですね。
これは、万博が始まっていてナショナルデーというのがあって、毎日各国から閣僚級の方が来られるわけですよね。日本と有利な条件で貿易をしたいとか、日本からの投資を招きたいなんというような諸国の方々はきっとたくさん来られるというふうに思うんです。
それで、多分、成田か関空か中部空港かに着陸をされて、東京に一度足を運んだとしたら外務大臣なり総理なりと表敬訪問ということでお話しになるというふうに思うんですよね。それでやりたいと言ったら毎回やるんですかという話になっちゃうわけなんですけれども、そこはどうなんですか。(発言する者あり)
○赤松委員長 私語を慎んでください。
○町村国務大臣 確かに、数多くの国々のVIPの方がいらっしゃる、もう既に相当数多くの方々が外務省にもお越しになるという話もいただいて、日程調整にも苦慮をしているところでございます。来られた方すべてと、いい顔をしたい一心でFTA交渉をやりましょうやりましょう、なかなかそれはそうはまいらぬわけでありまして、私どももさっき申し上げた考え方というのがありますから、御希望されるすべてとやろうということには相ならないわけでございます。
特に、余りこういうことを言っていいのかどうかよくわかりませんが、結構事務作業が大変なんですね。昨年、メキシコの協定でしたか、御審議いただいたときも、書類がこんなに、もう何十センチも委員の先生方のテーブルに積んでありまして、とても、そんなことを言ってはなんですが、見るとげんなりするほどのボリュームの資料が積んでありました。
あれを書いていく作業というのも結構大変でございますが、何しろ数多い品目について一つ一つ先方と詰めた結果なものですから、ああなってしまう。もう少しそういった事務作業が簡単にできるといいのですけれども、なかなかそうもまいらないというところもあります。できるだけ今それを簡素化する努力も試み始めているところでございます。
したがって、我が方の人員も限られているものですから、そう幾つも、十も二十も一遍にだあっと走るということは物理的にも作業的にも不可能でございますから、ある程度やはり絞って、重点を限ってやっていかなきゃならない。そんなこともあるものですから、さっき申し上げました、当面は優先度を東アジアに置く。また、それはそうしないと物理的にも作業的にもやれないという要素も一つはあるんだということも御理解をいただければと思います。
いずれにしても、どんどん向こうから来たからどんどんやりますという対応をするわけではないという点は、御理解を賜りたいと存じます。
○大谷委員 全くそのとおりでございまして、マンパワーには限界がございまして、使える資産というものを上手に振り分けていく、そこが戦略だというふうに思うんですよね。先ほどから再三、東アジアを中心にして、しかしながら、しゃくし定規にそこ以外のところは全く話をしないよじゃないということでございますけれども、そこで二つ質問がございます。
韓国なんかはスイスとも話をしているんですけれども、EFTAという、ノルウェーやアイスランド、リヒテンシュタインなんというような国と、スイスを中心として地域的連携の強い国なんかと一緒にまとめてやっているんですよね。だから個別にスイスとやるのだったら、そうやってまとめてやったことの方が戦略性が高いんじゃないかというのが一個。
それともう一個。東アジアというのだったら、これはやはり、一度議論しましたが、どこからどこまでが東アジアなんだというとそこは難しいところであって、オーストラリアが含まれるのか含まれないのかというのがあるんですけれども、予算委員会で先月大臣にお聞きしたときは、オーストラリアとは現段階においては考えておりません、しかしながら、この四月を目途にして、貿易自由化をするとどういうお互いのメリットがあるのかという一段階目の研究発表がございます、それを踏まえて考えるということでございますけれども、先週、オーストラリアの外務大臣が来られたとき総理とお会いになられて、勉強することはいいことだというふうにおっしゃっておりまして、これは非常に前向きな発言ではないかというふうにとられているんですが、僕は前向きであるべきだと思っている方でございますので、その辺はどうなったのかということを、まず二つたださせていただいてから次に移りたいと思います。
○中富政府参考人 お答えいたします。
まず、EFTAとのFTAの可能性の検討でございますが、まずこれは経緯から申し上げますと、日本に対するコンタクトは、やはり圧倒的にスイスが熱心でございました。二〇〇三年の一月から、日・スイスFTA勉強会ということで、日本側はジェトロ、スイス側はSECOという組織で検討を行ってきた経緯がございます。その上で、また、ダイス・スイス大統領が昨年訪日時に関心を示したというようなことがございまして、スイスとそれからEFTA全般とでは、向こう側の熱心度ということにおきまして差があるということかと思います。
先ほど大臣からお答えございましたように、スイスとのFTAにつきましては、昨年十月の大統領の発言を受けて、小泉総理が、双方の貿易・投資拡大のために何ができるかを考えていきたいということで、現在、政府の中で対応を検討しているところでございます。その際の軸は、今後の経済連携協定の推進についての基本方針、先ほどから大臣が何度か御説明している基本方針でございまして、それに即しまして、経済外交上の視点、相手国の状況等を総合的に勘案し、検討していくということでございます。
EFTAでございますけれども、EFTAとのFTA交渉の可能性につきましては、現時点でそういう状況でございますので、具体的に検討を行っているわけではございません。しかしながら、今後、仮にEFTA全体として正式に関心表明があるようなことがあれば、基本方針に基づき、経済外交上の視点、相手国の状況等を総合的に勘案し、検討していくことになると考えられます。
それから次に、豪州との関係でございますが、委員御指摘のとおり、豪州は我が国と基本的な価値を共有しておりますし、経済的にも重要なパートナーであるというふうに認識をしております。二〇〇三年の七月にハワード首相が訪日した際に合意した日豪貿易経済枠組みのもとで、現在、貿易・投資の自由化の得失を検討するための共同研究を行っているところでございます。今後、四月に予定されるハワード豪首相の訪日も踏まえまして、こうした共同研究の作業を加速化する予定であり、また日豪間でいかなる経済連携の強化が可能かについて真剣に検討しているところでございます。
先般、御指摘のように、ダウナー豪外相が訪日されました際に、豪州側からFTAの関心が表明をされまして、小泉総理、それから町村大臣からも、日豪FTAのフィージビリティースタディーを立ち上げたいとの要望に対しまして、農業の問題はあるけれども、FTAのメリット、デメリットを検討することは意味があるというふうにお答えされております。
日豪のFTAにつきましては、農業のような困難な分野があり、実際に交渉を立ち上げるか否かは別といたしまして、そのメリット、デメリットを検討することは有意義というように考えているところでございます。
○町村国務大臣 今、審議官が御説明をしたとおりであります。特にオーストラリアにつきましては、先般、ダウナー外務大臣ともかなりの時間を使っていろいろな議論をいたしました。もちろん、このFTA以外のことでも、ちょうどこれからイラクでの先方の地上軍の活動もありといったようなことも幅広く議論したわけでありますが、大変ダウナー外相は、日本とのFTAということに並々ならぬ関心を示されたところでございます。結論は、さっき申し上げたように、それぞれFTAのメリット、デメリットがあるので、よくお互いに研究を進めようではないか、こういうことでございました。
しかし、今度ハワード首相もお見えになって、小泉総理との間でどういうお話になるのか、結果はまだよくわかりません。しかし、別の考え方をすると、特にFTAというものがなくたって、今、日豪の貿易関係は非常にうまくいっているじゃないか、何も事改めて協定を結ばなくても、今のままで何か問題があるんだろうか、こういう見方も特に農業関係者の方からは強く示されているのも事実でございます。そういったことなどを踏まえながら総合的に判断をしなければならないテーマであろう、こう考えているところであります。
ただ、東アジアかどうかという観点からすると、やはりオーストラリアは、まあ東という言葉がつくのが適切かどうかわかりませんが、実は、ことしの年末に東アジア・サミットというものが予定をされておりますが、それにオーストラリアも強く参加をしたいという希望が各方面に表明をされております。そんなことも私ども頭の中に置いておかなければならないな、かように考えています。
○大谷委員 オーストラリアは今うまいこといっているということでございますけれども、日本が輸出しているものは、自動車が四〇%、これも全体で一・二兆円で、大体五千億円ぐらい日本の自動車はオーストラリアに輸出をしている。向こうから輸入しているのは一・七兆円ぐらいなんですけれども、我々が輸出しているものの七七%は有税でございまして、うまいこといっているんだけれども、もしFTAなりなんなり自由化が進むと、もっとうまいこといく。
あしたあさってから始まるメキシコですとGDPが〇・〇六%上がる、三千億円、それからトンカツなんかも安くなるんだというような報道がきょうの日経新聞にございましたけれども、十分、まだまだ日豪貿易関係、また人等の移動、サービスの移動ということでもよくなる可能性がございますので、ぜひとも御認識をお持ちいただきたいというふうに思います。
整理をいたします。スイスも大事な国、オーストラリアも大事な国、そして日本の国益、外交戦略上どっちも大事だけれども、マンパワーが限られているから、どうしても配分は考えなければいけない。大事な国だから、両方可能性を見出す勉強会はやる、しかしながら人の配分は考えなければいけない。
イラク等々の問題、オセアニアにあるけれども、東アジアではないとしてもアジア、そしてこのアジア地域における日本と同じ民主主義国家であり、日米関係そして日・オーストラリア関係を結ぶと、同盟関係にある大切な国、安保上考えてもやはり重要な国だなと。そこで、どこかで、マンパワーをどう振り分けていくか、順番ですね、決めていかなきゃいけないという、判断をしていかなければいけないということなんですね。
それと、そのことは、今スイスの話も出ているけれども、オーストラリアの話も出ていて、同じぐらいのレベルの土俵に立っているんですねというふうに私は理解したんですが、それでよろしいんですか。やる、やらないじゃなくて、可能性をお互い探ろうとしているステージに立っているということでいいんですね。もう短くていいです。
○町村国務大臣 今、委員にまことに手際よく現状をまとめていただきました。そのとおりでございます。
○大谷委員 ありがとうございます。
非常にやゆした、皮肉的な言い方を評論家と称する人たちが書いているもので読んだことがあるんですけれども、今、日本のFTA戦略をつかさどっているのは農林水産省であるみたいなことを言っている人がおられました。そんなことにならないようにしていただきたいというふうに思いますし、リーダーシップを発揮してほしい。
もしかしたら、この前議論をしましたように、一種、各省庁を調整できるような、経済外交戦略を立案し、そして実行していくような別の機関が、内閣、官房なのかどこかわかりませんけれども、そのような機能を持ったものが必要ではないかなというふうに私は思っているんですけれども、その辺、主観で結構でございますので、大臣、どのようにお考えでしょうか。
アメリカのNSC的なものですよね。安保会議というものがありますけれども、これは形骸化しています。それの経済版みたいなものを官邸の中につくっていく必要があるんじゃないかと私はずっと思っているんですけれども、どうでしょうか。
○町村国務大臣 今、FTA、EPAに関して言うならば、先ほどの関係閣僚会議、これは官房長官が主宰をするという形になりますが、私どもは、それで事足りているかどうかはわかりませんが、一応それで機能しているのではないか、こう思っております。
ただ、それをさらに超えてより広い立場でのいわば経済に関する安全保障会議といったようなものも内閣に首相直属で持つべきではないか、一つの参考事例としてアメリカといったようなものもあるのかもしれません、そういうお考えがあるのはよく承知をいたしております。したがって、私もそれを一概に否定するつもりもございません。ただ、よく考えないといけないのは、ややもすると屋上屋を重ねてしまうことになりはしないだろうかという面もありますので、そこは最終的には総理大臣がどう御判断をされるのかなというテーマにもなります。
いずれにしても、最近見ておりますと、官邸が主宰をする会議といいましょうか、官房長官が、あるいは総理が主宰をする会議が物すごく多いなと思います。かつてそんなに、何々会議というのは確かに昔からありますけれども、こんなに最近多いのはどうしてなんだろうかとちょっと考えることがあります。
各省みずからの調整力が落ちているのかもしれない、これは我々反省しなきゃならない。他方、いろいろな省庁にまたがる案件が非常に多いんだろうなと。テロ対策にしても、犯罪にしても、いろいろな問題について各省庁にまたがる案件が非常にふえてきたという事象のあらわれかもしれない。どちらかよくわかりませんが。
いずれにしても、政府全体としてしっかりとした対応がとれなければいけないだろうと思いますので、今後、今委員の御指摘なされた点については行く行く政府全体でも考えていかなければならないテーマだ、私は個人的にはこう考えているところであります。
○大谷委員 これからも引き続き、その点については議論をさせていただきたいというふうに思います。
時間がなくなってまいりましたので、手短に日中関係、その中でも東シナ海における、中国が今ガス油田開発をしている春暁の油田開発の状況について教えてほしいというふうに思います。
二十八日、日中で局長級会議があってこのことも議題に上ったというふうに聞いております。話し合いで解決というふうにおっしゃっているそうでございますけれども、その話し合いとは一体何を意味しているのか。今、日本はこの硬直、局長級会議は平行線というような報道でございましたけれども、本当に平行線だったのか、それとも、いやいや、こういう形で歩み寄りをしてお互いに納得いく形でこの油田問題について解決できそうなのかということを簡単にちょっとブリーフィングしていただけますでしょうか。
○齋木政府参考人 お答えいたします。
三月の二十八日に行われました日中のアジア局長協議でございますけれども、日本側から佐々江アジア大洋州局長、それから中国側からは崔天凱中国外交部アジア局長ほかが出席いたしました。いろいろな話題について議論をした中で、今委員御指摘の東シナ海における中国による資源開発問題についても議論を行ったわけでございます。双方とも今回の局長協議を非常に重視いたしまして、特にこの東シナ海の油ガス田開発問題については日中それぞれの立場を述べ合ったわけでございます。
日本側からは中国側に対して、改めて、我々が要求している十分な関連情報を早急にこちらの方に提供するように、それからまた今中国側が行っている開発作業の中止、これについても早急な対応をするようにということを求めたわけでございます。これに対しまして、中国側からも中国側の立場の表明がございましたけれども、日本側から提起した関心についてはきちんと留意しておるということを述べながら、この問題については引き続き協議を通じて解決していきたいということを述べたわけでございます。
○大谷委員 ポイントは、油田開発を我々の引いた中間線の中国側の方でやっておられる、しかしながら海底の油田では資源がつながっていて、日本の分の資源もとられてしまうんじゃないかと。いやいや、そんなことはありませんよというんだったら、そのデータ、証拠を見せてくださいよ、だけれども、それが見せてもらえないというのが現状でございます。
大臣、どうも、去年の十月にやって、きのう、おとといやって、見せてくれなさそうな感じでございまして、日本の方では、それだったら試掘権を設定して日本も掘らざるを得ないんじゃないか、そういうオプションは持っておかなきゃいけないんじゃないかというような意見も出てきています。
そんな中で、どのようにこの問題、中国全体では、日中関係はウイン・ウイン関係であらなければいけないというふうに思っていますけれども、個別の案件をどう全体とつなげて解決していくのか。もしくは、この案件を個別で一つのエネルギー政策の中に入れて解決していこうとしていくのか。どのような位置づけ、どのような戦略を持って日中関係とこの問題を解決していくのか。方針を教えていただけますでしょうか。
○町村国務大臣 一昨日の局長級協議は先ほどの報告のとおりであります。
確かに委員御指摘のように、昨年十月の東シナ海に関する日中協議でこの春暁のことについての議論があり、その後、引き続きデータを得て協議をしていこう、十分情報提供を求めて解決を話し合いでやっていこうということであったんですが、それから約半年近くたって、いまだに何ら情報提供がないまま協議だけはやろうというのは、どうも理解に苦しむところでございます。
協議協議と言いながらいたずらに時間がたつ、その間にどんどん開発行為が先方だけ進むということはバランスを失した現状ではないか、私もそう思っております。したがいまして、具体的にいつごろまでにその協議会を開くか、その際にはどういうデータを先方が提供すべきかということをさらに詰めていかなければいけない、こう考えております。
試掘権の設定の話も確かにあるわけでございまして、まだ現時点でこの試掘権設定という話を先方にしたわけではございません。しかし、いつまでもこういうことで先方のみが現実の作業をやっていくという状態が続くならば、それは早晩、我が方も一定の行為に出ていかざるを得ない、こう私も思っております。
何もいたずらに対決ムードといいましょうか、対立をしようという意図では毛頭ございません。基本的には、総理がいつも言っておられるように、あるいは先方も言うように、これは対立の海ではなくて協調の海にしなければいけない。まことにそのとおりだろうと思いますが、そういうせりふのもとで何ら事態が改善をされないというのは、結果的には協調の海になってこなくなるわけでありますから、本当の意味での文字どおりの協調の海にするためにお互いどういうことが必要なのかということについては、今後より具体に議論をしていかなければいけない。
それぞれの日程が合えば、私は四月中にも中国を訪問して、中国側とこうした問題も含めて、トータルで日中間にあるいろいろな課題について議論をしていきたいな、こう考えているところでございます。
○大谷委員 日中間、日中関係をウイン・ウインにするためにも、言うべきことは個別のイシューにおいてはしっかりと言うことだというふうに思っています。ここを開発している中国の海洋石油という油田会社はきのう、八月か九月ごろを目途に開発で供給も始めるというようなことを言っていますので、しっかりと、おかしいじゃないかということを言っていただきたいというふうに思います。
時間がないので、一つだけ質問して、もうこの場で答えてほしいんですけれども、平成十三年に、違法の海洋調査をしてはいけませんよ、事前通告してくださいよと日中間で取り決めをしました。その後、どれぐらいの違法の調査を中国がやっているのか、実態を把握しているのか、その分、どんなふうに抗議をしたのか。僕の問題意識は、その抗議の仕方が甘かったからずるずるここまで来てしまったんじゃないかなというふうに思っているんです。そこの実態だけこの場で教えていただきたいというふうに思います。
○齋木政府参考人 お答え申し上げます。
おっしゃる相互事前通報の枠組みというものが平成十三年にできたわけでございますけれども、それ以降、東シナ海における日本の排他的経済水域でこの手続に従わない中国の海洋調査は、平成十三年の場合には四件、十四年には二件、平成十五年にはゼロ件、平成十六年には四件確認されております。
こういった事例につきまして、直ちに私どもの方からは、現場の水域、それから外交ルートで、そういった活動の即時中止をこれまでも申し入れてきております。また、そういう事態がたび重なることは極めて遺憾であると。
例えば昨年十月の先ほど来出ております日中協議の場でも、その再発防止を徹底してやってもらいたいということを申し入れておりますし、また大臣レベルでもこういった申し入れを行っておりまして、町村大臣からも在京の王毅大使に対してこの種の申し入れを行っていただいておるわけでございます。
○大谷委員 もうこれで終わりますけれども、約束したことを守っていないのですから、ここはしっかりと毎回毎回言っていただきたい。言っているというのだったら、多分声が小さくて聞こえていないからこんなことを何回もやっているのだと思いますので、大きな声で、外交はパーセプション、認識ですから、しっかりとやっていただきたいと思います。
もうあと三十秒だけ。
大臣、万博が始まっておりますが、この万博を通じてたくさんの要人が来られる中、日本のパブリックディプロマシーというものを発揮していかなければいけないというふうに思うんですけれども、どんな思いでこの万博に臨んでいらっしゃるのか、一言だけ言っていただいて、私の質問を終わりたいというふうに思います。
○町村国務大臣 万博は万博としての大きな意義があるわけでございますが、たまさか例えばことしは国連の改革の年である、常任理事国入りを私どもも表明している、そのための外交努力をやっているわけでございまして、ある意味ではいいチャンスなものですから、これを大いに活用させてもらいたいと思っておりますし、また常任理事国以外の関係でも、二国間関係をよりよいものにするための大変いいチャンスだ、相互理解を深めるいいチャンスだと思っておりまして、これはとても中川経産大臣一人あるいは私一人では対応し切れませんので、副大臣、あるいは大臣政務官、あるいはその他関係する方々、多くの方々の御協力を得てよりよい二国間関係を築くいいチャンスとしてこれを活用したい、かように考えているところであります。
○大谷委員 ありがとうございました。
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