第159回通常国会 国土交通委員会 2004年04月13日

○赤羽委員長 大谷信盛君。

○大谷委員 民主党の大谷信盛でございます。

 きょうは、私の方は、高速道路株式会社法案、これはいわゆる公団の民営化法案なんですけれども、この法案が民営化に値するのかどうなのかに集中をして議論させていただきたいというふうに思います。

 その前に一つ、二つお伺いしたいんですけれども、今、古屋先生の方から民主党の質問が田中参考人、猪瀬参考人にございましたが、猪瀬参考人は借金を返すということを優先して、民主党の無料化案は云々というような御答弁を今なされましたが、少し誤解をされているようなので、そこの誤解だけまず最初に解かせていただきたいというふうに思います。

 猪瀬先生の民営化案というのは行革という話から出てきたものでありまして、もともとは、我が党の石井紘基先生と連携をして猪瀬先生が頑張っておられた。その著述を見て私も勉強させていただきました。

 しかしながら、我々が言っております民主党の無料化案というものは、この国の交通体系全体を考えて、なおかつ、どうやったら、都市の再生であったり、この国の根幹である、国づくりである、血流である道路を上手にもっと利用できるかというような大きなステージに観点を置いて出てきたのが無料化案であるということをまず最初に御理解いただきたいというふうに思います。

 それで次に、私、きょうは、これを見ますと、猪瀬直樹さん、作家・道路関係四公団民営化推進委員会委員とあるんですけれども、これは田中参考人も入っておられていて、おやめになられて、もう一人の方もおやめになられて、今委員会を開いたら三人の方が出てこられない。ということは、ほとんど機能していなくて、何か破綻しているんじゃないかというふうに思うんですけれども、この委員会というのは今どんな役割をしているのか。

 マスコミ等々の報道を見ますと、猪瀬参考人は、監視するために私はいるんだというんですけれども、別のマスコミ報道なんか見ると、居残っているんじゃないのか、居座っているんじゃないのかというふうに言われたりしますけれども、これは一体、委員会というのは今どんな役割をして、どんな役目で監視を猪瀬先生はされているのかという、この委員会の位置づけをはっきりさせてから質問に入らせていただきたいというふうに思います。

○猪瀬参考人 質問する人は、委員会が公開しているということを御存じなのかどうか。つまり、委員会が委員懇談会となっても公開していて、そして議事録も全部公表されています。ですから、一月、二月、三月も全部やっているんです。そういうことをまず知らないで質問に出てくること自体が僕には信じられません。

○大谷委員 議事録公開されている云々かんぬんの問題でなくして、いわゆる委員が過半数出席されていない中で、委員会としてこれがまともに、委員会が定数切れているわけですから、委員会として成り立っているのかどうなのかという質問なんです。

○猪瀬参考人 これも、不勉強だから僕は言いますけれども、まず、委員というものを放棄してやめた人に責任の追及が行かなきゃいけないということが第一点。

 それから、委員会は委員懇談会という名称に変えましたが、国鉄再建監理委員会でも、あのときは五人なんですけれども、一人やめちゃったんですね。あのときは多数決じゃないので、五人全員一致という建前になっていましたから、実は国鉄再建監理委員会というのは途中から懇談会だったんです。だけれども、一応委員会としてやっていました。数のことは余り問題じゃないんです。

 それで、委員会が委員懇談会になっても委員会活動は続けられており、そこに道路局長やら道路公団総裁やらが出席して、我々の質問に答えて、そして膨大な議事録がつくられています。

 そういうところにぜひ傍聴に来ていただきたいなということであります。

○大谷委員 なるほど。定数にかかわらず委員会は開催されていて、十分機能を果たしているということですね。

 そうしたら、その委員会というのも結構なぞが昨年の末、多かったように思うんですが、例えば十二月の二十二日に政府・与党の申し合わせということで発表がなされたんですけれども、その事前の段階で、猪瀬委員が非常によく、根回しというか動いておったというふうに報道がされておる。小泉総理と、十八日だったというふうに記憶しておりますけれども、元利均等であったりとか固定金利であったりするようなことを言質をとったから大丈夫だみたいなことが報道されていたというふうに思うんです。これは委員として、委員長もおられましたし、委員長代理であった田中参考人もきょう来られていますけれども、何かお墨つきをもらってやったのか、それとも勝手に動いたのか、言っているだけなのか。一体何だったのか、その辺のところをちょっと先にはっきりさせていただけますか。

○猪瀬参考人 これも、ちょうど田中参考人がいるから、むしろ田中参考人に聞いたらいいですよ。

 つまり、十二月九日に委員会が開かれ、そして、次の委員会は十二月十九日であるというふうに確定しているわけです。委員会の日程の決定は委員会でなされます。ところが、十二月十七日に突然田中委員の方から、十九日の委員会は開催しないと。それは、しかし、委員会で決めることだから、僕は同意しないけれども、でも開催しないとなってしまったらこれはできない。したがって、僕は、十二月十八日に小泉さんのところへ行ったわけですよ。全然当たり前のことです、十二月十九日に予定の委員会があるわけですから。

 そういうことであって、事実関係を精査して、そしてその事実関係を踏まえて、それで質問してください。

○大谷委員 田中参考人にお聞きしたいんですけれども、私はやはり、事実関係はもちろん大事ですけれども、事実関係がそうやって見えないところもあるわけです。

 委員長がおられて、委員長代理がおられた。それでみんなでこうやってやっている中で、委員だけが突出してやったといったら、これは委員会としての議論のルールが成り立たないわけなんですよね。

 田中参考人にお聞きしたいんですけれども、これは別にお墨つき渡していないのにそうやって動いているんですけれども、これは委員会として機能していたんですかね。(猪瀬参考人「いや違う、ちょっといいですか」と呼ぶ)田中参考人にお聞きしています。

○赤羽委員長 私は、委員長の権限で、まず猪瀬参考人の発言を認めます。

○猪瀬参考人 今言ったように、委員会が、十二月九日に、次の委員会は十九日であると決まっていて、その十九日に委員会がないということが十七日に突然、委員会は開かないという権限を田中さんは持っていないにもかかわらず委員会開かないと言って、十九日の委員会はなくなったわけです。いいですか、そこの事実だけ踏まえて。それ以上のことはもう言いません。

○田中参考人 十二月九日に、十九日に開くことは言いました。しかし、それには前提があります。ボールは国交省に行っておるわけです。つまり、委員会としては、ボールは意見書として投げた、その答えが出てこないわけですね、国交省から。出てこなければ、私どもとしては集まっても議論することがない。相手のところまでボールをとりに行くことはない。

 したがって、十七まで、ぎりぎりまで待ったんですけれども、それぞれの委員に、何も全員集まって会議しなければ変えられない話ではありませんから、電話でそれぞれ、私はこう考えると。だから、十九日は、もし出てこなければ、出てくれば直前でももう一回電話すればいいんですが、ついに出てこなければやりようがないということで各委員に聞きましたところ、大部分の方が、猪瀬さんは例外です、決めたことだから開けということでしたけれども、多数があなたの言うとおりであるということでありましたから、ボールが向こうにあるのに集まって議論しても仕方がない、むしろ私は、開かないことが国交省に対する一つのインパクトになるのではないかと。

 長年行政改革をやっておって、こっちの方からとりに行って失敗したことがたくさんあります。あるいは、そういうことをおやりになって失敗したことがあります。したがって、断固としてこの際は、我慢して十九日を迎えた方がいいというふうに私は考えたから、そういうふうに皆さんの意見を聞いて取りやめたわけであります。このことはあちこち書いたりしゃべったりしておりますが、改めてきょう申し上げておきます。

○大谷委員 わかりました。連携不足があったんだなということはよくわかりましたし、事実関係ということで、事実関係も再三今猪瀬参考人から言われましたので、それを踏まえて、もうちょっとまた役割というものを考えたいと思います。

○猪瀬参考人 だから、やめる権限はないんです。その十二月九日にしか、要するに十九日の件を決める権限はその委員会でしかないんです。それを勝手にやめちゃって、放棄したんですね。十九日に別に、回答が来ないとかおっしゃっているけれども、十九日に開いて回答を待ったり、あるいは十九日にそこで決議して何らかのことをやればいいわけであって、後から、十二月二十二日に、こういうようになりました、そこでやめますというんじゃ、何にもしないで待っているだけでしょう。まあ、それ以上はやめます、この話はくだらないから。

 以上です。

○田中参考人 議論を矮小化したくないんです。私と猪瀬さんが意見が違うからどうのこうのという問題ではなくて、私どもは政府といろいろ議論しておるわけです。

 それから、間違えてもらいたくないのは、委員会を開催するかどうかというのは、議事規則上、委員長であり、あるいは委員長代理が、その日どうするかということは決めることは可能であります。

○大谷委員 中身に移りたいというふうに思います。

 民営化にこれは値するかどうかということなんですけれども、私は、株式会社という名がつくからには、利潤を追求する、そのためにいろいろなマーケティングをし、商品をつくって売り出していく、また、その過程上においてコスト削減をしていくということが、うちの母親でも理解できる、利潤を追求する民営株式会社というものの当然のあるべき姿だというふうに思うんですね。

 これ、法案を見てみますと、政府・与党申し合わせでは、通行料において利潤を上乗せできないということになっているわけですね。そうすると、高速道路株式会社という、通行料でもうけることをイメージさせるような会社じゃなくて、SA、PAという、いわゆるサービスエリアでフードだとかというような非交通使用料収入でもうける会社ですから、高速道路フードサービスセンター株式会社法案じゃないのかなというふうに思うんですけれども、これは本当に、利益が追求できなくて、本来の民営化、いわゆる株式会社だって言えるんですか、言えないんですか。まずは猪瀬参考人、その次に田中参考人にお答えをお願いしたいと思います。

○猪瀬参考人 四公団の年間収入は今幾らだか御存じですか。(発言する者あり)ああ、質問しない。二兆六千億円です。そして二兆円余りのリース料を払う。これがまず出発点ですよ。そこでは利益出ないですよ。しかし、結果としての利益は出るんです。それで、六千億円の管理費がありますね。これをできるだけコストを削減していくということによって利益が出てきます。それから、当然ながらネットワーク収入というものがあります。

 だから、僕はこの問題はずっと前から言っていますけれども、御殿場のアウトレットモールなんて外資系がやっていますよ。土日満杯ですよ。それを自分で経営すればいいわけです、自分のエリアの中で。例えば、では、東京から御殿場間の交通量が、御殿場のアウトレットモールが自分のものであったとすればそこでの収入も得られるし、そういう非常に収入が得られやすい企画を考え、ビジネスチャンスを考えていくことによって交通量もふえますね。そこで出た利益は、当然、有料道路会社の利益になりますよ。

 したがって、結果としての利益は認められるわけですよ。つまり、ぎりぎり二兆六千、管理費六千、リース料二兆、ここではないですよ、利益なんて。そこから汗水流して働きなさい、こういうことですよ。

○田中参考人 非常に重要なポイントでございます。

 料金には利潤を含めないというのが十二月二十二日の政府・与党の申し合わせでも書いてありますし、今度の法案においてもそれが基本になっています。つまり、料金はこれこれこれを償うものであるということは、裏返せば、利潤は含まないということであります。

 努力をして利益を出すとします。しかし、それは、基本は料金からでありますから、五年計画になるか六年計画になるか、どういう計画、それぞれ中期計画を立てると思いますが、仮にそこで利益が出れば、基本は料金から得ているものですから、料金を下げなければいけません、利益を得たらいけないんですから。逆に言うと、努力すれば努力するほど、奴隷のように、減らされる、そういう経営はしないだろうと思います。とにかく努力しないだろうと。

 だから、計画経済のように割りつけて、これほどでやりなさいと限度額を示して、守らせて、監督してやる。それは決して、会社が自主的に経営する考え方に立っておるものではない。強制的に守らせるという発想に立っております。それは従来の公団だって、若干形は違いますが、同じようなやり方で来た。

 ですから、利潤を含めないということは、ではどうするかというと、結局、褒賞費みたいに、努力したところに褒賞費やるのか。何ぼか、そのうちの幾らか、どういう基準でやるかわかりませんけれども、やるかというぐらいなことしか考えられないんですね。

 ですから、どんな企業でも、自分の本業において、先ほども申し上げましたが、利潤を認めないというのは、それは企業じゃないんですと私は理解しております。

○大谷委員 私も田中参考人の意見に全く同感の感想をこの法案に持っております。まず、競争するインセンティブがどこにも働きません。にもかかわらず、利潤は出るし、これは十分借金を返せるからすばらしいスキームだというふうにおっしゃる方がおられるんです。

 猪瀬参考人、これは本当に今田中参考人がおっしゃったとおりで、全然経営の自主性を持っていないんですから、どんな努力をしても民営化された株式会社だと言えないというふうに思うんですけれども、それはどうお考えですか。

○猪瀬参考人 先ほど説明したように、リース料をぎりぎり取るわけですよ、借金返済のために。しかし、そこから始まるわけです。もうインフラを実質もらっているわけですよ、インフラの権利、料金徴収権を。したがって、経営努力すれば幾らでも利潤は出てくるんです。これは当たり前でしょう。

 つまり、先ほど言いましたように、御殿場のアウトレットモールみたいなものをつくればいいじゃないか。それだけじゃないですよ。何とか温泉とかつくっていいわけです、敷地内に。あるいは、山間部の土地なんか安いですから、サービスエリアを拡大して、そこにビジネスチャンスはまた幾らでもつくれますね。そういう流れの中で通行料収入がふえていったら、それは民営化会社のものですよ。法人税として払うわけです、それは当然。

 それで、経営努力によって生み出した利益は、当たり前ですけれども、ボーナスや何かで還元され、あるいは逆に、経営努力をしなければリストラされるわけですね、高いリース料を払わなきゃいけないわけですから。そういうふうにインセンティブはきちんとあるわけです。

○大谷委員 SA、PAの部分でインセンティブがあると。

 しかしながら、私が今言っているのは、利潤を通行料に含めちゃいけない、利潤を追求しちゃいけないと、ある一面で言われて、こうやって制約をされている運営主体が民間の株式会社だって言えるのかということなんですけれども、そこはどうですか。

○猪瀬参考人 先ほども言いましたけれども、ソニーや松下じゃないんですね。これは東京電力型の会社ですよ。ですから、利益が余計に出るようであれば、料金値下げとして還元していくということは当然一つの道筋ですよ。キロメートル当たり幾らと取っているのがそうですから。したがって、単に、一方で利潤追求しながら、過大な利益が出る場合には料金値下げに持っていくというのは、これは当然です。公共交通機関でも料金はみんな認可要件ですよね、基本的には、私鉄でも何でも。それから東京電力だって、円高で物すごく差益が出たら電力料金下げましょうとかいう話になりますよね。ですから、過大な利益が出れば、国民というか利用者に還元されるのは、これは当然です。

 ただ、それは毎年毎年ということじゃないから、一定期間の経営努力の結果出てくる利益というものは、当然課税の対象になるわけですよ。それを毎年毎年見直していくわけじゃないですからね。これはかなり長期的な期間の中で経営努力をして利益を生み出していく。これは基本的には変わりません。

○田中参考人 補足したいと思います。

 今、公益的な事業、電力にしろNTTにしろJRにしろ、運賃・料金に利潤を含めないことにはなっておりません。最小限、もちろん、公益事業でありますから、大もうけしてはいけません。これは今井委員長も、常々そうおっしゃっていました、大もうけするものじゃないと。

 だけれども、大もうけしないということと利潤を一切認めないということは、また話が別であります。電力会社には、ちゃんと電力料金の中に、最小限であっても利潤は認めてある。JRの運賃・料金にもそれは認めてある。NTTもそうである。それは、監督官庁なりなんなり、必要最小限の規制によって、国民をバックに物を考えておるということを補足的に申し上げておきます。

○大谷委員 この会社のインセンティブについて、ちょっと質問の方向性を変えたいというふうに思うんですけれども、猪瀬参考人にお聞きしたいんです。

 午前の参考人質疑では構想日本の加藤参考人が参加されて、これは上場できるに値しない会社だというふうに言われた。私もそのとおりだというふうに思います。これ、将来的に上場できる会社なのかどうなのか。もし上場できる会社だと考えるんであるならば、その理由と、一体どこの証券取引所で上場されるのか。業種分類では道路なのか、不動産なのか、それとも食料なのか、物流なのか、一体どこなのかというこの三つを、猪瀬参考人、その次に田中参考人にちょっと教えてほしいんですけれども。

○猪瀬参考人 これは民営化委員会の幅を超えた話ですから。小泉さんは、上場を目指す、こう言っていますね。

 それから、基本的には、JR東日本が完全民営化を果たしたのは、つい数年前、一、二年前ですね。西日本がついこの間ですね。ですから、完全民営化には十五年ぐらいかかったということです。それで、JRの場合は、あと、三島会社といって、北海道、九州、四国、これは当面、あるいは貨物の会社も株式の売却のめどは立っていませんね。

 この民営化会社については、道路については四十五年間の料金徴収権を与えられていますので、株式の上場は可能だと思います。それから、さまざまな形でそれぞれの東会社とか中会社とか西会社が出資して、幾つかのビジネスを展開していくことも可能だと思います。そういうことで、これはむしろ僕に聞くよりも、外資系の方々に聞いた方が早いかと思いますが。

 それから、イタリアではベネトンが主要な株主になりましたよね、イタリアの道路会社は。ビジネスチャンスとしては、ネットワーク収入というものが相当期待できる。近藤総裁なんかは、三千五百億円今ネットワーク関係の収入があるけれども、これを一兆円にできる、こういうふうに言っていますけれども、僕はそれもかなり期待できることは確かだと思いますよ。そういうネットワーク収入と兼ね合わせながら交通量がふえていけばいいだろうなということであります。

 つまり、昔からそうなんですけれども、東急でも西武でも、私鉄というのはあって、そしてターミナルステーションがあって、それから終点に遊園地があるというパターンがありますから、インフラ整備というのはそういうソフトと一体となった形で展開されていくんだと思いますよ。ところが、道路公団というのはそういう発想がゼロだったんですね。ですから、今度民営化会社になると、昔の私鉄のような形になるんじゃないですか、発想としては。

 ですから、これを民営化というのは意味があるのであって、今までは、とにかく道路公団というのは道路建設公団にすぎなかったんですよ。自分のインフラのネットワーク効果というのを使おうとしなかった、そういうところにビジネスチャンスを見出そうとしなかったんですよ。ですから、そういう意味ではこれから絶対に今よりずっとよくなるのは当たり前ですよ。

○田中参考人 私は株の専門家ではありませんので、どういうことになるか判断がにわかにはつきませんが、ただ、一般的に申し上げたいと思います。

 きょう冒頭の説明のときにも申し上げたように、この会社というのは、せいぜい、政府の規制の強い独立行政法人であると申し上げました。なぜなれば、既存の債務、それから新しく七・五兆円以内でつくるということでありますが、そういうものを全部ひっくるめて、それぞれ東と中と西、例えば今の道路公団だけでいえば、そういうふうに、料金収入から支出を引いてリース料を出していくと思います。一方で、機構は四十五年間にそれを確実に返さなければいけないわけですから、逆に言えば、それを三社に、あるいは首都と阪高もありますが、要するに民営化された各会社に協定という名のもとに、本当は協定じゃなくて、四十五年間に返さなきゃいかぬわけですから、既存のものとこれからのものとを割りつけていかなきゃいかぬわけです。協定という名のもとにこれほど、新しいものだけについて言うと、トータル七・五兆円以内であなた方はやらないと、それが限度額であって、あとはおまえたちの負担にするよと。だからこそ、私は、それはいわば社会主義国家における計画経済のようなものであると。

 ですから、そういう規制のもとで業務をやっていくわけですよ。逆に言えば国家が保証しているわけです。ですから、そういう会社の株を買うか買わないか。多分最低限の利益は出るはずでありますから、しかも安心感がありますから、私は素人でありますけれども、結構買う人もいるのではないかというふうには思いますが、いかがでしょうか。

○大谷委員 そうですか。猪瀬参考人と田中参考人、全く別の理由から上場できるんじゃないかと。猪瀬参考人の方はできるんじゃないのだったので、ちょっとあやふやでよくわかりませんでしたけれども。

 僕、これは四人にお聞きしたいんですけれども、簡潔に言っていただいたらいいんですけれども、別に、このスキームで道路建設をし、借金を返済していくのであるならば、民営化のこの株式会社の看板、お冠を与えなくたって、独立行政法人で、第三者機関と政治、国会の場でしっかりとコストダウンというものをさせるスキームをつくり、監視体制をとり、なおかつ路線はどうするのかということを、この国会の場もしくは政治の、国民の見える場でしっかりと論議をして決めていけば、独立行政法人で十分できるじゃないかというのが私の印象なんです。

 これは、皆さん、やはり民営化じゃないとこの目的というのは達成できないのかということについて、このスキームの形、独立行政法人と民営化とどう違うんだということについて、藤井先生から教えていただけますでしょうか。

○藤井参考人 大変広範な御質問なんですが、私自身は、独立行政法人じゃなくて、民営化する方が有利だと思います。

 民営化の利点は、最初に申し上げましたように、政策の責任と経営の責任をはっきり分離することです。独立行政法人ではなかなかその分離が難しいと思います。実際に、今まで公社、公団というのは、本来、その分離をするはずだったんですけれども、結果において分離はできなかったというのが実際の経過としてはわかっているわけです。その意味では、民営化をする方が私は望ましいというふうに思います。

○猪瀬参考人 今まで道路公団だったから、これを民営化するということだったのです。

 それから、先ほど、上場できると言ったんですよ、僕は。間違えないでくださいね。ネットワーク収入を含めて、これは優良会社として認知されるということを言っているわけです。ただ、そのためには、常に常に国民の監視は必要ですよ。というか、国会議員の監視が必要なんです、本当は。石井紘基さんみたいに、きちんと細かいファミリー企業の分析とかしていればいいんですよ、国会議員はもっと、民主党の方は。

 それはともかくおきまして、独立行政法人というのは、要するに特殊法人だったわけですね、それは名前が変わっただけですから。そんなことを今さら言い出してもらったら困りますよ。

 民主党の無料化の話もありますけれども、無料化にして、とりあえずそこの職員をどこに持っていくんですかということなんですよ。それから、そこでやる工事とか維持管理、メンテナンス工事とか、だれがやるんですか。こういうことをはっきりさせないと、きょう、民主党だから、今、僕はしゃべりますけれども、そういうことを言わないで、民営化委員会のやったこととか、あるいは今回の法案がどうのこうの言われても、今まで三年間努力してここまでつくり上げてきたんですよ。それをまた、イロハのイみたいな話を始めてもらっても困りますよ。

 以上です。

○田中参考人 きょう提出したペーパーでも、あるいは御説明したことでもその点を一番強調したんですが、私は、先ほど古屋委員が御指摘されたように、民営化の基本は何であるか。経営の自主性、ガバナンスが一番重要であるというふうに考えるわけです。だからこそ所有のことまで言及しました。

 今の提出された法律案を見ますと、それがあたかも、論理的に追っかけていくと、私が先ほど申し上げたように、むしろ独立行政法人として構築した方が話がわかりやすいではないかというふうに現在の法律案から帰結したものであります。

 なぜなれば、独立行政法人は、何も特殊法人とは同じではございません。であれば、政府は、何も独立行政法人をつくる必要はないんです。通則法をつくり、基本は、政策は政府がつくって、その執行を独立行政法人に、三年なり五年なりであなたのところは中期計画でこれほどやってくださいと目標を示します。独立行政法人は、その三年なり五年なりでそれをブレークダウンして、これほどやります、毎年度計画もつくりますと。政府の政策の執行を的確にやろうとするのが、しかも効率的にやろうとするのが、独立行政法人の構想された考え方であります。

 したがって、今回の法律を見ると、どうもその方がふさわしいのではないかなというふうに、申し上げたとおり思ったものですから、重ねて説明しました。

 以上です。

○中山参考人 私自身、最初にも述べましたように、高速道路というのは基本的なインフラになりますので、これを民営化するということ自身は、やはりもうちょっと慎重に考えた方がいいと思います。

 むしろ、独立行政法人がいいかどうかは別ですけれども、行政がきちっと関与して、行政、国会もしくは県等できちっと議論して、こういった基本的なインフラを地域経済の活性化にどう活用していくのか、そういったところで県民なり県なりがきちっと意見を述べられるような、そういった公的な機関に所有なり今後の権限なりを残しておくという方が望ましいですし、その上でむだをきちっと排除できるような仕組みを考えていくことが望ましいのではないかと思っています。

○田中参考人 一言補足させてください。

 私は独立行政法人がいいと言っているわけじゃなくて、今回提出された法律案は、私が期待した、あるいは民営化推進委員会が期待した民営化ではないよということを強調するためにあえてそういう言い方をしたということを御理解いただきたいと思います。

○大谷委員 田中参考人が言わんとしていることはよくわかっています。本来の提唱されていた民営化であれば一番よかったんだが、当時の民営化の中身とは全く違ってしまっているということだというふうに理解していますし、私もそのように思っていますから、きょうはその思いで質問をさせていただいております。

 例えば、猪瀬参考人にお聞きしたいんですけれども、二〇〇一年の石原国土交通大臣が行革担当大臣のころに特殊法人改革の議論が始まって、猪瀬参考人がそこでお役割を果たしておられたころ、猪瀬さん、三十年で償還するんだ、なおかつ新路建設はなしなんだというふうにたしか言っておられたと思います。

 いや、あれは考えが変わったんだ、そんなことは言っていないというんだったら後で言っていただいたらいいんですけれども、そう言っていたとしたら、今回のこの民営化の法案というものは、かなりトーンが落ちているというか形が変わっているものになっているんですが、それでも及第点、合格点を渡せるに今でもやはり至っていますか。

○猪瀬参考人 事実をきちんと確認してしゃべっていただきたいですね。

 建設を一切しない場合には三十年で返せる、そういうふうに、四公団を含めて、日本道路公団にはキャッシュフローがあるよということを申し上げたんです。それで、新規建設については一時凍結して、そして、どうやって建設するか、優先順位等を含めて検討しましょう、こういう提案をしたんです。そのときにきちんとテレビでも言っています、南極の氷じゃありません、一時凍結して、そしてどうするかを決めましょうと。それで第三者機関をつくることになっていく流れになるわけです。ですから、事実関係を正確に把握して言っていただきたい。

 それから、民営化委員会をずっと開いた後、一個も建設しなければ三十年で返せるわけですが、では、どのくらいだったらどうかといろいろな試算を出します。これは民営化委員会はたくさん試算が出ています。その試算を見ていただければわかります。

 田中参考人がどこかで、四十五年先は自分は生きていないわなんて言ったけれども、民営化委員会では、四十年ケースと四十六年ケースの返済の試算を出しています。それから、途中途中の委員会でもいろいろな試算が出ていますので、基本的には、先ほど言いましたけれども、料金徴収権を持っている会社ですから、収益還元法で考えると大体どのくらいでどうなのかということはすぐ計算できるので、確かに、財務諸表等で見えない部分がいっぱいあったんだけれども、しかし、現在どのくらい収入があるということと、要するに管理費はどのぐらいかかるということから、基本的な計算はできるんです。そういうことです。

○大谷委員 済みません、繰り返させていただいてよろしいですか。

 ですから、言っていることが当時も今も変わっていないから合格点だと言っているんですか、それとも、当時思っていたことと、三年間議論を積み重ね、もっともっと公団のことを知って、なおかつ、ああ、これだったら合格点だねと言ったのか。どういう状況で言葉が変わったのかということを教えてほしいんです。

 私の勉強不足を言われるのは十分結構でございます。ただ、どう変わったのか、変わっていないのか、この二つに一つなんですよ。

○猪瀬参考人 料金値下げ、分割、そして借金返済、これが基本ラインですよ。これができたということですね。三年前には考えられないことでした。道路公団民営化という言葉はありませんでした。更地から立ち上げてここまで来たんです。

 それで、またちょっとそれますけれども、田中参考人が、新会社が経営の自主性を持つこと、債務の早期確実な返済、それから保有機構からの資金還流はない、地域分割、料金値下げ、こう言っています。田中さんと僕は意見が少し違うところがあるんですが、これは基本的には、六、七割できているわけです。

 いろいろな問題点も残っていますが、しかし、基本的なところで、繰り返しますけれども、料金引き下げ、分割、借金返済四十五年明記ですよ、これが決まったということで一応合格点だということになります。

○大谷委員 なるほど。

 田中参考人にも同じことを聞きたいんですけれども、これは田中参考人の出してくれたペーパーの言葉をかりれば、車をつくってエンジンはできていないじゃないか、見た目は言っていたのに似ているけれども、全然思っている方向に進まないスキームじゃないのかというふうに言われているんです。今猪瀬参考人がおっしゃったことに対して、私は、それはやはり看板がついただけで、実質、最初言っていたものと中身は全然とれないんじゃないかというふうに思うんですが、田中参考人はどうでしょうか。

○田中参考人 民営化というものをどういうふうに把握するか、観念するかということだと思います。

 私が総理に、この点、この点、この点とただべたにお示ししたのが間違いだったかもわかりません。基本になることと、それから、それさえ行われれば、あとは最小限の規制でチェックしていけるものと、分けてやるべきだったかもわかりません。

 きょう冒頭の陳述で申し上げたあの二点が私にとっては民営化の基本でありまして、古屋委員が指摘されたことは間違いないところであります。したがって、その基本が液状化しておれば、その上に建つものは非常にぐらぐらするものであり、砂上の楼閣であると申し上げたのはそういうことであります。

 国民の監視あるいはマスコミの監視、国の監視がないと運営できないような会社では困るんですね。必要最小限の監視でいい。監視だけからいえば、今の道路公団だって、旧建設省、今の国土交通省がきちんと監督することになっているんですよ。監督するだけではだめなんですね。中からわき上がる効率化、法人自体の自分のガバナンス、これを確立することが非常に重要であるということを重ねて申し上げておきます。

○大谷委員 ありがとうございます。

 これだけ議論を重ねた委員の中でもこれだけ中身の評価が違うんだということがよくわかりましたし、残り時間、あとどれぐらいあるかわかりませんけれども、国会審議の中でしっかりと、私は、利便性、国民利益ということを中心にして、もちろん、猪瀬参考人が言っている、借金を返すということも大事なことなんですけれども、議論をしていきたいというふうに思います。

 本日は、まことにありがとうございました。


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