第156回国会 衆議院 国土交通委員会 第7号 2003年03月12日


○菅(義)委員長代理 大谷信盛君。

○大谷委員 大谷信盛でございます。
 きょうは、閣法にのみ御質問をさせていただきたく思います。
 まず最初に、民主党が提出させていただいております法律案、これは、もともと今まで公共事業の中で問題視されてき た、動き出したらとまらないとか、時代おくれで環境に合っていないものを新しく時代背景に合ったものに変えていくとかと いうような問題点を解決するためには、国会承認を含めて、国民の手に公共事業を取り戻していこう。また、一本一本、 各局各局が一本化して、省庁の総合性を持った公共事業ということは私も全く同じ理念ではございますが、そうしたら、な ぜ九本だけなのかということに、この間の議論の中で余り的確にお答えをいただいていないような気がいたします。
 平成十三年に長期計画が切れるものが九本あって、その九本をこれから一本一本つくっていくのではなくて、まとめて もっと長期計画をつくっていくというだけで、例えば住宅なんというものは、扇大臣がいつもおっしゃるグランドデザインの 中では、どうするのかということが大きな大きな必要性があるというふうに思うんですが、残念ながらこの九本の中には住 宅は入っておりません。
 十七年に長期計画が切れるからそれから入るのかなというふうに思いますが、今までの扇大臣の議論ですと、全体を しっかりと見据えてつくっていかなければ、質のいい、求められている公共事業はできない。ならば、他省庁のも含めて、 一緒にするような努力をすべきなのか、また、したけれどもできなくて、今回は九本だけにおさまって、これからやっていこ うとしているのか、リーダーシップを発揮されたのかどうなのか。その辺について、まず扇大臣の動きについて教えていた だきたいと思います。

○三沢政府参考人 今回、九本の長期計画を統合するわけでございます。それで、なぜ、それ以外の長期計画を一本 化しないのかという御質問でございます。
 これについては、当然私どもも、大臣の指示を受け、関係省庁とも十分話し合いました。農水省さんにも行き、我々の考 え方はこうですと。多分、選択肢としていろいろな考え方があるんだろうなというふうに私どもは考えております。
 いろいろ議論した結果といたしまして、例えば農林水産省の所管の公共事業というのは、ある面では公共事業というこ とでございますけれども、一方で、まさに農林水産業、第一次産業の発展とか、あるいは農山漁村の振興というほかの 農林施策と一体的に実施することも非常に大事だ、これも事実でございまして、そういう観点から、今回、例えば土地改 良であるとか治山については農水省さんの他の農林の施策と一緒に実施していこうということで、今回の重点計画とまた 別にお考えになるということになったわけでございます。
 それからもう一つ、環境省さん、これも廃棄物の処理の五カ年計画がございます。これもいろいろな議論を経たわけで ございますけれども、廃棄物の処理というのも、いわば出口の問題なんですが、恐らくそもそも廃棄物、ごみの量の削減 策そのものとか、あるいはそういう全体の廃棄物処理政策、それと一体的に処理することも非常に重要である。これもや はり理由のあることでございまして、そういう観点から、では、廃棄物はまたそういう廃棄物処理政策の中で考えていこう ということになったわけでございます。
 ただ、今回、私どもからそういう問題提起もし、政府全体としても議論した結果、今までの緊急措置法体系というのは、 これは国土交通省のみならず、環境省さんの廃棄物の処理の緊急措置法、こういうのも含めて、ある意味では全部根底 から見直されることになった。これは、政府として統一した姿勢としてそういう見直しが行われるようになったということで ございます。
 それからもう一つ、住宅の御質問がございましたけれども、住宅は当然、例えば公営住宅なんかは公共事業という面 がございますけれども、住宅政策全体で見ますと、民間住宅の部分も非常に大きくて、まさに二十一世紀型の住宅政策 としてどういう法律体系のあり方がいいのかというのは、もうちょっと抜本的な議論があるのかなというふうに考えており ます。現在の、現行の住宅建設計画法というのも基本的に見直さなきゃいけないという問題意識でございます。
 したがいまして、ですから、まだ計画の終期が来ていないから入れていないというようなことではなくて、もうちょっと抜 本的な見直しをきちっとして、その上で、その見直しの時点で改めてこの重点計画法との関係をよく整理して、必要があ れば、場合によっては一緒になるかもしれないし、あるいはむしろ住宅に関する別の、例えば住宅基本法とかそういう選 択肢もあり得ると思いますが、そういうことを十分議論していきたいということでございます。
 ただ、今回、法律上は、法定事業としては対象にしておりませんけれども、住宅についてもこの計画の中で、例えばバ リアフリー目標みたいな共通な部分についてはできるだけこの中に書き込んでいきたい、こういう考え方でございます。

○大谷委員 大臣もお願いします。

○扇国務大臣 大谷議員は、民主党の案の提案者でもいらっしゃいますから、この問題に関してよく御研究いただき、 御提言もいただいているところですけれども、私は、少なくとも、見ていただいたらよくわかりますように、省と省、局と局、 役所の中というのは、今日までの戦後の体制の中で、それを横断的に物を考えるということが日本の行政の中では今ま で、ほとんど不可能であったというのは言い過ぎかもしれませんけれども、それほど危機管理意識というものがなく、縦割 りで来たというのが戦後の行政のあり方だろうと思います。
 それを変えていこうというのが小泉内閣なんです。ですから、今局長が言いましたように、今まで、法案一本について、 農林水産省に一緒にやりましょうよ、あるいはここも一緒にやりましょうよなんて環境省に言いに行くというようなことは、 それぞれの役人のプライドからすれば考えられないことでありますし、私は、皆さん方にお願いした公共工事の入契法、 これをつくるときも、これは五年かかると言われたんです、それは各省庁全部持っていますから。けれども、入札と契約に 関する適正化法も、皆さんのおかげで、また、あのときに内閣挙げて総理の命令によって、協力しろというリーダーシップ によって五年かかる法案が三カ月でできた、これも新記録なんですね。
 ですから、そういうことも、この長期計画というのは、昭和二十九年から今日まで五十年間、それぞれの省割り、局割 り、全部縦割りでつくられてきたものを改めて二十一世紀型にするということで、私は、きっと、お若い皆さん方、古い方も 含めて、大変失礼ですけれども、九本を一緒に、そんなことできっこないと皆さんお考えになっていたと思うんです。それく らい、省と省、局と局という、これは大変な今までの歴史と伝統と誇りを持っているんです。それを二十一世紀型の日本 のために一本にしたというこの基本だけはぜひ御理解いただき、私はむしろ、大谷議員なんかは勉強していただいて、あ あ、なるほどな、こんなことができたんだなと思っていただけるものだと思っています。

○大谷委員 わかりました。大臣のリーダーシップがあってこそ、この九本が一本にまとまったということだというふうに 思います。
 ただ、言いたいのは、では、省庁の縦割りというものの弊害をなくしていくために、これからも大臣がリーダーシップを発 揮されていくのかということだというふうに思います。きっと、今の回答の中では、していくという心意気は十分に伝わった と思いますので、もう聞きません。
 もう一つ、重点化、九本という話なんですけれども、この重点化というのは何をもって重点化かという議論も余りされてい ないわけです。
 重点化するということは、コストダウンもありましょう。また、総合性を持たすということもありましょう。なおかつ、何よりも 一番国民ニーズにこれが求められているものだから、これを重点化してどこよりも先に優先して進めていきましょうというこ となんですけれども、このニーズを高められる商品、事業の内容というものをつくっていくときに、国がやった方がいいもの もあれば、地方がやった方がいい、これは重点化するときは国じゃなくて地方にやってもらった方がいいよなという重点性 を考える上の戦略性はあると思うんですよね。そういうものは考慮を全くされていないような気がするんです。
 これは、嫌らしい見方をするならば、今まで中央省庁が持ってきた事業というものを地方に渡さないために、アウトカムと いうような計画をつくって、五年ごとにそれさえしていけば、あとはただただ数値目標を達成するために走り続けていくよう なことになってしまうんではないか。
 国がやったことの方が効率性、国民ニーズにとってはいいものができる、いや、国しかできない、もしくはこれはほかに 地域にやっていただいた方がいいなとかいうような議論は、この法案を立案していく中であったんでしょうか。これは何回 かほかの委員さんが質問されましたけれども、それを局長にお伺いしたいんです。

○三沢政府参考人 非常に重要な点の御質問でございます。
 重点化の意味というのは、大変いろいろな意味があるわけでございますけれども、中でもやはり私ども非常に大事だと 考えておりますのは、従来事業分野別の計画になっていた、しかも、どちらかというと、中身が事業費表示だった。それ を、横断的な目標設定を行っていくことによって、ある意味では、社会資本整備として何が課題なのかということについて 事業横断的な政策課題、これを明示して、その中で選択をしていける。
 例えば、ちょっと言い方は悪いんですけれども、道路か河川かということよりも、例えば環境が大事なのか、あるいは安 全が大事なのか、バリアフリーが大事か、そういう政策課題に対応していくという物の考え方を明示できるということが非 常に今回の大きな趣旨であるというふうに考えています。そういう意味での重点化というのが一つ。
 それから、当然、もちろん事業自体をできるだけ早くする、あるいはコストの縮減を図っていくという、いわゆる公共事業 改革の取り組みによる効率化という意味での重点化もあろうかと思います。そういう意味を含めて、今回そういう重点化と 申し上げているわけです。
 その中で、国と地方というお話がございまして、今回私ども、こういう政策課題ごとの問題提起をすることによって、そこ は、国と地方との役割分担、あるいはさらに言えば、官と民との役割分担についても、いろいろな取り組みというのがむし ろ横断的にしやすいような、そういう体制がだんだんできてくるんではないかというふうに考えております。
 ですから、これを決めることによって何か目標ができたので、その達成に向けて一律に走っていくということじゃなくて、 多分、目標の達成の仕方についても、ハードとソフトの組み合わせとか、新規の投資と既存ストックの組み合わせ、いろ いろなやり方があろうかと思いますので、そういうやり方の、ある意味ではアローアンスをきちっと残して、むしろ地域の創 意工夫が出せるような仕組みになっていくのではないかというふうに考えております。

○大谷委員 ある土俵、パラダイムの中で考えるならば、今三沢局長がおっしゃったことが一番効率のいい形で事業を 進めていくことになるのかなというふうに思うんです。それは、この間何回か言わせていただいた、昭和二十五年五月に できた国土総合開発法だというふうに思うんです。
 中央がしっかりやらなかったら地域が絶対に事業を達成できるわけがないという考えのもと、あの法律がいわゆる公共 事業の核となってこの戦後の復興を進めていったというふうに思うんですけれども、今はそうじゃなくて、何回もこれは議 論が出ましたけれども、そのパラダイムみたいなものを変換して、地域が地域の住民と一緒になってまちづくりをしていく というのが二十一世紀型じゃないかなというふうに僕は思っているんです。
 その兆候を大きく示しているのがNPOだと思います。同僚の方も、今や、政府関係機関のところに退官後お仕事をせ ず、NPOにお仕事をされている先輩局長もおられるというふうに聞いておりますし、そんな退官後の進路が今までなかっ たようなところに行くというのも、やはり住民参加のまちづくり、これは、地域でつくるという言い方もありますし、NPOと、 民間でつくるという言い方もありますけれども、これは二十一世紀の兆候だというふうに思うのですね。
 これは、長年局長なんかはまちづくり、国づくりに携わってきて、どのようにお考えですか、それなりのパラダイム変換が どこかで必要だというふうに僕は思うんですけれども。

○三沢政府参考人 ある意味では、そういうパラダイムの転換自体も既に起こりつつあり、恐らく、全国総合開発計画と いうものも、そういうパラダイムの転換と言われたものも、その中に相当部分、思想としてもう入ってきているというふうに 私どもは考えています。
 ですから、つまり、国が計画を立てるから何か一律になるとか、そういうことじゃなくて、むしろ、国と地方とで、先生おっ しゃったようなパラダイムの転換というのであれば、そういうものを共通の認識としてお互いに持ち合うということが非常に 大事なんではないかというふうに考えております。
 したがいまして、国が計画をつくるから非常に押しつけになるとか、必ずしもそうではなくて、むしろ、その中身と、それ から、それをどうやって運用で生かしていくかということが非常に大事なんではないかというふうに考えております。

○大谷委員 パラダイム変換の起こりつつある現象を理解した上で進めていくというような認識をお持ちいただいている ことがわかりました。
 ただ僕も、国が地方に押しつけて、これをやれと言っているようなことをしていると言うわけじゃないんですね。ただ、予 算の硬直化がこれは特別財源等々でございますし、また補助金で、これをやったら補助金が出るということで、ある意 味、見えざる手で縛っていることは事実でありますので、それをしっかりと取り払って、自分たちの町は自分たちでつくっ ていくような形にしていきたいという思いが、今回民主党から提案をさせていただいておる公共事業基本法案だというふう 思っています。
 次に、この閣法の中では、アウトカムをつくって、これまたアウトカムという片仮名がよくわからないんですけれども、要 は、数値目標、数値の入った目標、計画みたいなものをつくって、それを達成するために頑張っていくんだということです けれども、この九つの長期計画が一本になってアウトカムになる。
 そうしたら、この九つのものを一つにするときの重点性や、また将来のまちづくり、この国の国土のイメージとかというも のがあって、議論された末でそれなりのたたき台みたいなものが出てくるんだというふうに思うんですが、その過程はどう なるんですか。三沢総合政策局長が自分の周りの中で各局長の意見を入れただけでつくってしまうのか、それとも、何 か副大臣や大臣のリーダーシップがその中には入れられるような政策決定過程の中でつくっていくのか、どんな過程で つくられていくのかというのがちょっとよくわからないんですが。

○三沢政府参考人 これは、もう当然、私ども、まず役所の中の仕事としてやる場合には、大臣、副大臣の御指示、御 意見を踏まえていろいろ事務的に作業を進めていくということでございますので、何か局レベルで事務的に決めてしまうと いうような性格のものではございません。
 いずれにいたしましても、これはそのプロセスが非常に大事だというふうに考えておりまして、まず、役所の内部では当 然そういうことでございますけれども、さらに役所と外との関係で、今回、今までの長期計画では必ずしも明確にしていな かったプロセスを、例えばPIの問題なりあるいは公共団体の意見聴取の問題、そういうことを明記しているということでご ざいまして、アウトカム目標を、非常に技術的なものだから何か専門家だけで決めてしまうというようなものではなくて、や はり広く御意見を聞きながら、その中でフィードバックしながら決めていくというプロセスを重視したいというふうに考えてお ります。

○大谷委員 先にPIという言葉を使われちゃいましたけれども、中でどんなふうにつくっていくのかというのも、ちょっとブ ラックボックスで見えにくいんですが、私の言いたいのは、これは中でつくりますね、アウトカムというのを。その後、それ なりにたたき台をPIにかけて、それでなおかつ最終物がつくられていくという過程の中にあるというふうに思うんですが、 私は、たたき台をつくる前にもそれなりにPIというようなものをやらなきゃいけないというふうに思うんです。それが一点。
そんな気があるのか、ないのか。
 いや、今までインターネット等々を使ってやってきたというのであれば、そのインターネットが本当にPIになっているのか どうなのかということも聞きたいですし、PIというのは、何ですか。パブリックインボルブメントですね。インボルブメントとい うのは、辞書を引きますと、巻き込むという意味でございまして、今まで何かPI、PIと書いてあるインターネット等々を見る と、広く皆様方国民の御意見をいただいてということで、パブリックヒアリングになっているんですね。その辺の認識を踏ま えて、ちょっとこのPIの関連で、三つ教えていただけますでしょうか。

○三沢政府参考人 一つは、PIをどの段階でやるのかということでございます。
 これは、いろいろな御意見がございますけれども、ただ、意見を求めるとすれば、何らかのたたき台といいますか素案と いいますか、そういう素材があった方が意見は、一般論として言えば、言いやすいだろうということでございますので、今 回も、皆様方が何か意見を言う対象がある程度材料としてある、そういう段階でPIをするのかなというふうに考えておりま すので、恐らく、そうしますと、やはりある程度のたたき台的なものがあった方がやりやすいのだろうというふうに考えてお ります。
 それから、PIは単に聞くだけにならないようにというのは、もう非常に重要な点でございます。それで、これも私ども非常 に大事だと思っていますのは、結局、例えばいろいろな御意見を聞いたときに、それをどう受けとめたのか、あるいは、受 けとめられなかったとすればなぜなのかということを、事後的にもきちっと情報公開して、そのことについて当然またいろ いろな御意見が出てくるであろうというふうに思っていますので、そこも、PIやりっ放しという言い方は悪いんですけれど も、やった後のフォローアップと情報公開ということを非常に重視してやっていきたいというふうに考えております。

○大谷委員 そのとおりで、何か書き物というかネタがないと、それは意見をくれといったって、ほわんとしたものどころ か、支離滅裂な御意見しか来ないというふうに思うんですね。ですから、計画はある程度たたき台をつくってというのは、 そのとおりだというふうに思います。
 だけれども、それは計画なんですね。構想のたたき台みたいなものをつくって、その構想に対してやっていっていただく ようなことは必要だというふうに思うんです。
 例えば、この国の陸海空という交通物流システムの中で、では、どこに中心を置いていくんだ。これから車をやめてパブ リック交通、公共交通に力を入れていくようにしていただきたいという方もおるだろうし、反対に、いや、もっともっと自動車 を普及させて、自動車の排ガスがクリーンになれば、幾ら自動車が走ったって渋滞しないような道をつくって、二つ両立し ていけばいいじゃないかというような、どこに空港、道路それから鉄道等々の重点化をしていくんだというパブリックヒアリ ングだってできるわけです。だから、それはそれで、構想段階でやっていくことというのは、僕は考えられると思うんです ね。
 もう一つ、パブリックヒアリングではなく、パブリックインボルブメントになるためには、役所だけではなくて、一緒に何か 考えていくような部署が組織立って、体系立ってあって、初めてパブリックインボルブメントだというふうに思うんですが、そ んな取り組みは今までされようとしたことがあったのか、したことがあったのか。
 また、道路の場合は、事業を推進していく中でいろいろな御苦労の多い事業でありますので、今田議員の方からありま したように、反対運動というようなことも多い中で、きっと何かのノウハウというような、経験則というようなものがあったか と思うんですが、何かあれば道路局長、お願いをしたいんです。

○佐藤政府参考人 先に私の方から、今、道路行政としてPIの経験いかん、こういうお話かと思います。
 実は五年前、その前もそうですが、五カ年計画を立てるというようなときに、たくさんの皆様、記憶によりますと、たしか 十万人以上の皆様から御意見をいただいたかと思います。
 身近な道路の中で、あるいは日本全体のネットワークの中で、どういうことに力を注いでほしいかというようなことのアン ケートをいただき、なおかつ、全国で四十七都道府県、それぞれ四、五回以上ずつだったかと思いますが、懇談会やいろ いろな意見を伺いながら、それをまとめて、それぞれの地域の課題といったこともお出しいただいて、それらの全体をいろ いろ構成しながら、評価しながら、現在十二次の五カ年計画でございますが、今の五カ年計画をつくらせていただいた、 こういう経緯はございます。
 それから各論で申し上げますと、大きな道路は、構想段階でできるだけいろいろな皆様の御意見をいただきながら、具 体の計画論については、それこそPIとして、住民の皆様の何人かに委員になっていただいて委員会をつくり、なおかつ、 周辺住民の皆様あるいはお使いいただくことになるであろう皆様の御意見をその場にできるだけ集めていただいて、そう したことを踏まえながら一緒になって検討する、こういうこともやり始めているところでございます。

○大谷委員 では、三沢局長の方もお願いします。
○三沢政府参考人 今道路の方でお話ございましたように、道路で構想段階からのPIというのを相当先駆的に実施し ております。
 私どもの方では、そういういろいろな事例も踏まえまして、事業横断的な、構想段階からのPIのあり方というものについ て前々から検討をさせていただいていまして、これは前に大谷先生からも御質問いただきましたけれども、やはりそのた めのガイドラインというものもできるだけ早くつくりたいというふうに考えております。
 それから、重点計画とPIとの関係でいえば、私どもが申し上げているたたき台というものが恐らくはかなり構想段階的 な、事業でいう構想段階的なものに近くなるのかなという感じもしておりまして、ちょっとそこはどういう形でかけるのか、 まだコンクリートで決まっておりませんけれども、要するに、余りコンクリートで決めてしまった後で聞くんじゃなくて、できる だけ前広に聞くという御趣旨だと思いますので、そういうことについて十分留意をしていきたいというふうに考えておりま す。

○大谷委員
 民主党案で国会承認というものにこだわっているのは、要は、みんなでつくった計画だから、みんなでしっ かり達成していこうよと言えるようなものにしたいからであります。それがもし、この閣法の中には国会承認等々は入って ございませんので、ちょっとでもパブリックインボルブメントというものを、ヒアリングだけではなく発展させていただくような 努力は、この法案にかかわらず、事業を進めていく上で、一つ必ず頭に入れてつくっていくようにしていただきたいなとい うふうに思っています。
 ちょっと前後してしまいますが、もう一遍アウトカムの方で、事後評価ということに戻りたいんです。
 これは、ちょっと読んでみますと、アウトカムができました、五年間です、五年間の達成度ですね。数値目標ができます から、達成度の評価というか政策評価というものはあるかというふうに思うんです。このアウトカム自体を五年後にやる、 それで次の五年後のアウトカムにフィードバックをするというのはもちろんあると思うんです。だけれども、途中で、一年、 二年、三年たってみてどうなんだというようなことは、何かシステム上、仕組みとして用意されているんでしょうか、いわゆ る時のアセスというものですけれども。

○三沢政府参考人 今回の事後評価でございますけれども、アウトカム目標を設定いたしまして、それに基づいて、結 局その政策評価の結果を政策に反映するということでございますので、これは要するに、五年たって初めてやるという性 格のものではなくて、当然、ある程度やはり毎年度きちっと、ことしはどこまでやったのか、そういうことを評価していくとい うことでございます。そういうことで、例えば、そういうことの結果がまた次の予算要求なり制度改善に反映されるというの が本来の姿であるというふうに考えております。
 それから、時のアセスと言われているのは、むしろそれよりも事業の再評価の仕組みということかと思います。
 これについては、私どもも前々から、これも採択してから一定期間内にまだ着手されていないものとか、あるいは事業を 始めてから一定期間内にまだ終わっていないものについて、きちっとすべて事後評価委員会にかけて、これを例えば中 止するかどうかということもやっておりますので、そういうこともきちっとやるということも、今回、重点計画の中に改めてき ちっと書き込みたいというふうに考えております。

○大谷委員 僕が言いたいのは、要は、ある意味、時の政府、政権、内閣というもののリーダーシップのもとに、まちづく り、国づくりの濃淡が決まって、この事業のどこに予算配分を濃淡していくか、どこを重点にして達成していくかということ が決まっていくというふうに思うんですが、大臣がかわる、内閣がかわる、政権がかわる、政府がかわる、私が政権の側 に入るとかしたような場合、この五年計画、アウトカムがございます。これを、例えば、もう数値目標をつくってしまっている んだからやらなければいけないんだというだけで硬直してしまっているのか、それとも時の政府、内閣のリーダーシップの 優先順位によって変えることができるのかということなんですけれども、そこら辺はどうなるんですか。

○三沢政府参考人 これは、この法律の中で、社会経済情勢の変化があるときは、主務大臣はこの計画の変更の案を つくらなければいけないという義務づけをしております。
 したがいまして、例えばいろいろな社会経済情勢の変化があり、その中で内閣としてその政策の優先順位が変わると いうことがあれば、そういうことに基づいて、変更ということが当然考えられるというふうに考えております。

○大谷委員 そうですか、わかりました。論理上可能なわけですね。  どうしても、数値目標ができてしまいますから、そこだけを達成しなければいけないという担当者にとってのトラウマなん かに駆られてしまって、戦略的構想、外的環境変化に応じたものができないんではないかという危惧がちょっとあるもの ですから、それはまた進めていってから議論していきたいというふうに思います。
 もう一つだけ教えていただきたいのが予算配分の、大臣になんですけれども、最後なので、予算の硬直化についてだ け所見を述べていただいて、終わりたいというふうに思うんです。
 大臣、結局何年やられましたか。四年ぐらいになりますか、扇大臣の方は。大臣を何年やられましたか。(扇国務大臣 「七月で三年です」と呼ぶ)三年ですか。
 もう十分、有経験者ですのでお聞きしたいんですけれども、自分がこの国のために事業を責任を持って推進していく、計 画していくという地位にあって、予算が硬直しているとやりにくくないですか。要は、自動的に配分されてしまいますから、 扇さんが、また総理が考えたような物事を政策の上に反映させていけるすき間というのはこれぐらいしかないような気が するんですが、自己の経験からいうといかがでしょうか。

○扇国務大臣 ちょっと大きな問題なんで、私が経済財政諮問会議というところで言ったことは、二十一世紀は単年度 予算ではなくて、会計法も変えて事業別予算、特に国家プロジェクト、いわゆるナショナルプロジェクト的なものは事業別 予算でどんとやるべきだ。毎年毎年切り刻んで、アメリカのように、予算を組んで、節約したところには次に御褒美を上げ るというような予算でないと、みんな、この委員会でも言われました、年度内に予算を使うために、年度末になったら道路 を掘り返しているという御批判も国民の中にある、私もそう思っていました。
 ですから私は、単年度予算で、使い切らなかったら財務省が取り上げる、これでは一生懸命やりませんよね。ですか ら、余った分で次の重点項目に配分できる、こういう方法を変えてくれないと、単年度予算のいいところもありますよ、け れども、今言ったような大きな事業になればなるほど、私は、事業別予算というものを組んでナショナルプロジェクトをきち んと上げる。
 例えば、空港にしろ道路にしろ、日本の国にとってどう必要であるかという大きなグランドデザインで見れば、それは事 業別予算で、何年間でこれを短期に仕上げるんだということが予算の中にできなければ、効率が上がらないのではない かということを私は経済財政諮問会議で言いましたけれども、国の会計法を変えるなんてことはどの閣僚も思っていない ようです。私は総理大臣でもありませんし、一国民あるいは一国会、一内閣の一員として、国務大臣として、そういうこと をしなければ本当の予算の硬直化したものを直せないだろうということだけは提案いたしました。

○大谷委員 わかりました。それは大胆な発言、今の状況で、今の政権の中では、扇大臣の発言は大胆な勇気ある発 言だったというふうに思います。
 しかしながら、パラダイムの変換にはまだ至っていない、パラダイムから脱していないような気がいたします。要するに、 特定財源ということは、ほかに行っちゃったら、使う金なくなっちゃったら事業が滞っちゃうぞ、だから守るんだというような 発想になってしまっているというふうに思います。
 僕は、また、我が党で法案を出させていただいておりますのは、そういう考えを取っ払って、新しい土俵の中で、要は、 時の政府が内閣一致して、空港だというんだったら空港をつくっていく。
 今度、空港の法案のときは議論をまたさせていただこうと思っておりますが、空港整備特会が少ない余り、別枠でお金 をもらってこなきゃいけない、扇大臣が財務大臣に頭を下げなきゃいけないことになっちゃうわけですよ。
 そうじゃなくて、内閣で空港だといったら、特定財源なんか関係なしに、ぼんと拠点空港整備のためにお金が使えるよう な、そんな新しいパラダイムをつくっていくためにも、特定財源というものをなくしていかなければいけませんし、民主党の 法律がそれを転換させる起爆剤になるんだということを申し述べさせていただきまして、質問を終わりたいというふうに思 います。
 ありがとうございました。


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