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第154回通常国会 衆-国土交通委員会-25号 2002年07月24日
○大谷委員 民主党、大谷信盛でございます。
きょうは、公共事業、国の直轄事業と、もう一つは地方自治体が中心となっている都市計画、土地区画整理事業等々 の中でのパブリックインボルブメント、住民参加ということについて質問させていただきたいというふうに思います。
自分たちの町は自分たちでつくっていく、また、行政中心のまちづくりよりは、いろいろな人の意見を入れて、多様化す る社会の中で、その価値観に対応ができるようなまちづくりをしていく、これがこれからのまちづくり、もしくは公共事業の 進むべき方向だというふうに思います。
去年私が担当させていただきました土地収用法の一部改正の法律の中でも、この住民参加という概念について大臣と も議論をさせていただきましたが、その後の国交省の住民参加、パブリックインボルブメントを促進していく取り組みと、ま た、その必要性について、まず概略的に大臣のお考えをお示しいただけたらというふうに思います。
○扇国務大臣 大谷委員から、過日もこのパブリックインボルブメントの話をしていただきました。公共工事がなぜこんな に問題になったり、あるいはスムーズにいかないかというのは、私は原点にそこがあると思っております。それは大谷議 員と共通の認識であろうと私は思います。そして、計画段階から、国民に開示をして国民に参加をしてもらって地元の意 見を聞きながら、効率的に、地元に、より好まれる公共工事をするというのが私は原則であろうと思っております。例え ば、さっきも申しました成田の国際空港等々も、一番最初から国民に開示をしてという参加型でなかったから二本目の滑 走路に二十五年もかかった、こういうことも往々にしてあるわけですから。
特に、昔と違って、今はインターネット等々で国民に、早く、直通で情報開示することができるような状況になっておりま すので、私は、そういう意味では、より早く、よりわかりやすく、より明快な情報開示と国民との対話というものはできてく る、それを原点にしていきたいと思っております。
○大谷委員 いや全くそのとおりだというふうに思います。
今、計画段階からというお言葉がございましたが、そのもう一つ上の構想段階から、要するに、計画の選択肢がまだ並 んでいる段階から住民参加というものをしていかなければいけないというふうに思います。
これは局長がいいのかと思いますが、公共事業の範囲の中で、国交省の具体的な取り組みを教えていただけたらとい うふうに思います。去年議論させていただいたときも、道路行政の中ではガイドラインがつくられて、パブリックインボルブ メントが推進されるよう頑張っておられるということですが、その後、去年の土地収用法の改正が終わって以降の御努力 も含めて、教えていただけたらというふうに思います。
○扇国務大臣 私がこの任に当たらせていただいてから、あらゆる面でパブリックインボルブメントを導入しようということ で努力しております。事例を挙げればたくさんございますから、どの事例を挙げればわかりやすいのかなと思いますけれ ども、バイパスなど道路整備に関しましても、これはアンケート調査ですとか、あるいは委員会などによって地域の住民等 の関係者の意見を必ず広く聴取し、計画に反映するというパブリックインボルブメント方式を取り入れております。
また、都市計画決定に関しましても、これも、従来からの住民に対する公告縦覧、それに加えまして、平成十二年の十 二月に、案の策定段階から原則として公聴会とか説明会の開催を行うべきことを周知徹底しようということで、これも地方 公共団体に通達をいたしております。
また、計画段階よりもさらに早期の、今大谷議員がおっしゃいました構想段階においても、幅広く情報公開と住民参加 を促していこうということで、これが今後も公共工事に対する大変重要な第一歩であると私も考えております。
また、道路事業につきましては、構想段階にあるすべての高規格幹線道路を対象にパブリックインボルブメントの導入 をして、そして昨年の十二月から、これも例を挙げますと、東京外郭環状道路につきましても、有識者によります第三者 機関というものを設置いたしまして、皆さん方のPIのプロセスについて審議をし、そして評価をし、助言をいただくというこ ともしております。
この外郭も、だんだん時間がたつにつれて高コストになってまいります。これも、私は、何としても私がいる間に目鼻をつ けて、住民の皆さんの御理解をいただこう、このように考えております。
○大谷委員 わかりました。
局長にお伺いしたいんですけれども、道路の方のPIのガイドラインはできたというお話ですけれども、今、河川も含め て、全体の事業の中でガイドラインを作成しつつあるというふうにお聞きしておるんですが、そのガイドラインがいつぐらい までにできて、どんな内容のものにしようとされているのか、お教えいただけないでしょうか。
○三沢政府参考人 昨年の国会での土地収用法の改正の際の御審議、それから附帯決議等を踏まえまして、計画段 階から、さらに早期の段階である構想段階において、住民参加を推進していくことが極めて重要であるということは、今大 臣が答弁申し上げたとおりでございます。
それで、現在、国土交通省所管の公共事業につきまして、構想、計画段階において幅広い意見を反映させていただく という観点から、事業特性に応じた情報公開あるいは住民参加など、運用面での整合性を確保するためにガイドラインを 策定するということといたしておりまして、その策定に向けた作業を現在進めているところでございます。
これまでに、それぞれの所管事業の中では現状どういうことをやっているかというような調査、あるいは論点の整理等を 行っているところでございますけれども、これを踏まえまして、今年度中を目途に、構想段階でのいろいろな情報提供、あ るいは住民参加のための具体的な措置など、各事業に共通的に実施すべき標準的な手続というものをガイドラインという 形で定めていくという方向で、現在鋭意作業を進めているところでございます。
○大谷委員 ぜひとも今の作業中の中でも意見具申をさせていただきたいと思いますし、できてからもがんがんやらせ ていただきたいというふうに思うんですが、少し踏み込んで、こんなものも考えているのかどうなのか教えていただきたい んですが、これは要するに、PI、パブリックインボルブメントを構想段階で義務化をするというようなこともしっかりと明記さ れていくんでしょうか。運用面でされていくということなので、法になってということは全く将来的には考えていないのか、 どちらでしょうか。
○三沢政府参考人 今回のこのガイドラインの性格でございますけれども、先ほど道路の話もございましたように、それ ぞれの所管事業の中でそれぞれのやり方でやっているものについて、横断的に見て、一つの標準的な手続としてこうい うやり方があるのではないかということをお示しするということでございますので、ある意味ではその運用面での整合性を 確保するという性格のものとして現在考えているところでございます。
○大谷委員 三つほど提案させていただきたいというふうに思います。
どの事業にも言える、物事の決め方のプロセスの中で共通しているのは、一つ私が思っているのは、事業計画をつくる と同時に、PIを実施するんだという計画を、こんなPIの計画でこんな公共事業の計画をしておりますという、要するにPIの 実施計画も同時につけなければいけないんだということを考えたらどうかなというふうに思うのですが、そのことについて 御意見をいただきたい。
もう一つは、どこの地域でもそうなんですが、PIをやったものの、アリバイ的なものになってしまっていて、反対している 住民とか、もっともっとすばらしい意見を持っている住民の方、有識者の方がどこにお話をしたらいいのか。それはお役所 に行ってお話をするわけですけれども、委員会というような形式立った、話し合いのできるテーブルなんというものがなか ったりとか、つくる必要がなかったりしますから、いや、こうやってちゃんと来ていただいて、お話を伺いましたということだ けで終わってしまったりするようなケースが多々あると思うんですね。
そこで、実施計画でパブリックインボルブメント、住民参加のコーディネーターというような位置づけの人を必ず置きます。
そして、コーディネーターという人はこの人ですよと。もし話がボタンのかけ違いなんかで食い違うようなことになってきた ら、このコーディネーターの方が両方の間に入って話し合いの場をつくれるとかいうような権限とか、案を出していきますよ というような人を絶対つくるということ。
三つ目は、ある程度の事業予算になったら、もしくはある程度の規模の都市の地域において、いわゆるアメリカで言うと ころの、都市圏計画機構と訳すのが一番いいのかと思うんですけれども、町づくりをするときに常時意見を言いに行ける ような場、意見を聞く場というものをつくっておいて、そこに平時の段階から意見を言うことができるようにするという、計画 があるからパブリックインボルブメントをしてつくっていくというのではなくして、計画のない段階から、こんなふうにした方 がいいんじゃないかという議論を常にしているような場を設けるという、この三つをぜひとも入れていただけたらなというふ うに思うんですが、局長の方はこの考えに対していかが思われるか、御意見をいただきたいと思います。
○三沢政府参考人 一点目の、計画とそれから計画策定のいわばプロセスなり手続というのをある程度一体的に明ら かにすべきという点については、おっしゃるとおりであろうと思います。
恐らくガイドラインの中でも、これからこういう計画を 出すんだ、計画を策定するについては、これからこういう手続をとっていくんだということを、あらかじめある程度オープン に、わかるようにするということは大変大事だと思いますので、そういう点も踏まえて、よく検討をしていきたいと思いま す。
それから、二番目の、どういう場で聞いていくかという点も大変重要なことだと思っております。コーディネーターというも のについて、どういうやり方、どういう役割があるのかということも、今後検討が必要だと思いますが、やはり、具体的にど ういう場で意見が言えるのか、そのことも含めて、あらかじめわかりやすく、しかも参加しやすいような手続を定めていくと いうことも、非常に大事だというふうに思っております。
三番目に、常設で置くかどうか。これは、各事業ごとというよりも、その公共団体の行政の受け皿としてどういう組織が あるかという、多分もう少し幅広い観点での検討が必要かなという感じもいたしますが、引き続き私どももまたよく研究し ていきたいというふうに考えております。
○大谷委員 ぜひ連携をとっていただきたいというふうに思っておりますので。
これは道路の方で、ちょっとお聞かせいただきたいんですが、道路計画合意形成研究会提言、平成十三年十月三十一 日のポイントという、これはレクのときにいただいたものです。道路はPIが一番進んでいるというふうに思うんですが、そん な中で、この研究会の提言の中で、すばらしいなと思うのは、道路整備をしない案も含めた代替案との比較によって検証 とか、これにより都市計画手続の前に市民の意見を踏まえて計画を休止する手続を初めて位置づけと書いてあるんです が、これはちょっと、僕は最初はあれだったんですけれども、この提言はどんなふうにこれから扱われていくんですかね。
もしだめだったら後で教えていただいても結構なんですが。
○三沢政府参考人 ちょっと、申しわけありません、その道路の提言について、また後ほど、追って御報告をさせていた だきたいと思います。
○大谷委員 わかりました。
それでは、次に、都市計画、まちづくりの中での住民参加について御質問させていただきたいというふうに思います。
流れをざっと見ていきますと、昭和四十三年に都市計画法というものができて、公聴会の開催等による住民意見の反 映というようなことから始まって、都市計画をつくっていくんだと。また、昭和五十五年には、土地利用計画制度というもの ができて、もっともっと頑張って住民参加、住民の意見を聞きましょうと。それで、本年は、都市開発の提案制度。これは 私も自信と責任を持って本年の初めの通常国会で賛成をさせていただいた法律でございますが、要は、三分の二以上の 土地の所有者の方の同意が得られるならば、NPOやまちづくり協議会の方が、既にある都市計画について変更の提案 ができる、積極的に自分たちで自分たちの町をつくっていこうということができる、大きな一歩だというふうには思っていま す。
しかしながら、それでは構想段階での住民参加になっているかというと、そこはまだまだこれから開拓していかなけれ ばいけない分野だというふうに思うんですが、その辺のPIについてどんなお考えをお持ちなのか、局長、よろしくお願いし ます。
○澤井政府参考人 都市計画の決定手続におきます住民参加につきましては、先ほど大臣の御答弁のとおりでござい ます。
都市計画決定は暮らしに大きな影響を与える、また、決定されますと一定の権利制限がかかるということで、そうしたこ とを法律上、最低限の手続的保障として決めているということでございます。
あと、それをいかに実質的に運用していくかということが非常に重要だと思っておりまして、具体的な取り組み方という のは、地域によってさまざまなものはございますが、最近の例を二つ御披露申し上げたいと思うんです。
一つは横浜市でございます。ここでは、平成四年から、地域住民の日常生活にとって非常に重要な街路であります恩 田元石川線というものの都市計画決定に関しまして、当初、これは先生御指摘の構想段階に該当すると思いますけれど も、当該道路を整備しないという案も含めて複数の案を地元に示しまして、沿線一万世帯を対象にアンケート調査を実施 するなどによりまして、まず住民の意見の反映に取り組んでまいりました。その後、その議論の熟度が高まってまいりま して、現在では、この道路の具体的な都市計画決定に向けまして、例えば植樹はどうしたらいいかとか、どういう木を植 えるかですね、それから歩行者空間をどういうふうにしたらいいかという、極めて建設的な提案が住民から行われている という段階まで来ております。
また、もう一つ、所沢市の閑静な住宅地であります松が丘地区、ここでは、その住宅団地が開発された当初に、当該地 域の良好な住環境を保全しようということで建築協定が締結されました。これは十年ないし二十年の有効期間がござい まして、これを延長していくには全員の合意が必要でございます。いろいろな経緯がございまして、これを地区計画に転 換していこうという動きが出てまいりまして、最近の動きの中でも、地域住民の間で約五年間にわたりまして、建築協定 にかわります地区計画を決めようということで、一生懸命合意形成の努力が重ねられまして、ついに地区計画が定めら れ、またそれに基づく条例も制定されたという取り組みもございます。
こうした取り組みもございまして、先ほど先生仰せのように、今度提案制度も創設されました。これは、従来、いわば公 共側で案を提案し、それを住民が受けとめて意見を言って、計画をつくっていくという手続に加えまして、住民がみずから 主体的に町をどうしようという提案をしていくということを制度的に位置づけたということで、仰せのように、住民参加がより 実質的になっていくのではないかというふうに考えております。
○大谷委員 横浜のケースは勉強させていただきました。
これは、具体的には自治体の首長さんのリーダーシップというのがかなり大きいですよね。PIの中で、余りリーダーシッ プを発揮する気のない首長さんですと、進んでこないということになりますよね。今、都市計画法の中でいうと、構想段階 でも何かやりましょうよというのは特に定められていませんし、やはり自治体のやる気にかかってくると思うんですが、そ こを促すようなガイドライン、そこを促すような御努力というのは、国交省の方は何かなされているんでしょうか。
○澤井政府参考人 市長、知事、そういった首長のリーダーシップ、非常に重要だと思います。あわせまして、最近で いいますと、さまざまな専門的な知識を持って、住民の皆様方にいろいろな情報を提供し、いろいろなノウハウを教えるよ うなNPOの方々の取り組みも非常に重要になっていると思います。
そうした中で、私どもでは、最近の平成十二年の法改正に伴いまして都市計画運用指針を出しておりますが、その中 では、例えば公聴会、説明会、これは原則として開くべきであるということに加えまして、かなり早い段階から住民の意見 を反映させるための措置として、例えばアンケートを実施することが有効だよ、あるいはいろいろな専門家の指導も得な がらいわゆるワークショップ、いろいろな提案をし合いながら案を練っていくというようなことも実情に応じては実施すること が望ましいよというようなことも申し上げております。
また、今申しました十二年の都市計画法改正では、都市計画決定手続、先ほど言いましたように、法律上は権利制限 等の観点から最低限のものを決めておりますけれども、公共団体がその実情に応じて、その判断で、例えば縦覧期間は 法律上は二週間となっておりますが、これをより長くした方がいいと思えば、条例でそういうことができるということもあえ て法律上規定しております。
また、リーダーシップということがありまして、提案制度ということもできましたが、こうした制度の着実な実践がもちろん 重要でありますけれども、例えば、今我々が、自分が住んでいる地域が都市計画でどういう用途地域に決まっているか、 住居専用地域なのかあるいは普通の住居地域なのか商業地域なのか、またその決まっている用途地域の中で、容積 率あるいは建ぺい率が幾らなのかということを日常的に知っている人というのは実は極めて少ないというのが実情である と思います。逆に、自分で土地を買ったり家を建てたり、あるいは近隣で何か、よく最近ありますけれども、トラブルが起き たりというときに初めて、ああ、都市計画がこうだったんだということを認識するというのが、残念ながら多くの場合、実情 ではないかというふうに思います。
取り組みの一例を申しますと、例えばある市では、その市のホームページの中で、住民の皆さんが自分とのかかわり がよくわかるような形で、都市計画がどのように決まっているかということをホームページに掲載しまして、常時その計画 について質問や意見を受け付けるということを始められたところもあります。これは大変重要な取り組みだと思っておりま す。
こうした地道な取り組みの積み重ねによりまして、日常的に住民の皆様が、生活環境のありようの基本を形成する非常 に重要な都市計画に、より関心を持つようにしていくということが、都市計画分野では、まちづくりあるいはさまざまな建築 活動をルールに従ってより円滑に進めていくという観点から、そのいわばファンダメンタルズの一つとして大変大事ではな いかというふうに思っております。
○大谷委員 情報公開によって住民、市民の皆さんのまちづくりへの思いと意識というものが高まっていく、その取り組 みを促しているんだというお答えだったというふうに思います。本当に、意識を高める努力をしていかなければいけないと 思う。
例えば、最近よく住民運動、市民運動で起こっているのは、こういうことなんですよね。
一戸建てを買いました。ここがこれからの一生の住みかだと思って、頑張って暮らしている。土曜日、日曜日は、自分の リビングの窓から見える里山、これを見てほっとして、ああ、この地域に引っ越してきてよかったな、おれもこれで家長とい うか、一つの持ち家を持って一人前になったな、そんな気持ちで土曜日、日曜日を過ごしている。ある日ふと見ると、その 里山がはげている、ショベルカーとユンボで崩されている。え、この山があったからこの地域に一戸建ての家を買ったの に、何で、おれが何も知らないうちに、一週間で山が半分に削られているんだと。
それは、いわゆるマスタープラン、都市計画の中で、この山を残すか残さないか、これは残さなくてもいいですよ、住宅 地にしてもいいですよという区域だったから山が削られているわけなんですよね。地主さんは業者さんに頼んで、市に許 可をいただいて、マンションにしたいとか、もしくは宅地造成をしたい、土地区画整理事業にしていただきたいとかというこ とができるわけですよね。しかし、その山を毎日見ている人、毎週末にその山を見て自分の一週間の疲れをいやしている 地域の住民にとっては、急に山が削られちゃうわけですよね。
おっしゃったとおりに、ここの地域が何に使えるのか、この山が残るのか残らないのかというようなことを知ってその地域 で暮らしている人はほとんどまれです。こんなことが起きた場合、どうなっているんだと、急に市に行きます。仲間、地域 の住民さん同士で話をします。そして、では、ちょっと市に行ってみようと。あんなの勝手にしてもらっちゃ困るじゃないか、 あんな里山があってすばらしいところだから、私たちは誇りと安らぎを感じながら暮らしているのにと言います。いや、あれ はもうマスタープランで、平成五年以降、ある地域では平成六年に、ある地域では平成十年ぐらいに都市計画というもの をつくり直して、皆さんに聞いたら、皆さんが、あそこはこれでいいですよ、山を削ってもいい、住宅地にしてもいいところで すよと言いましたと言われる。
どんな住民参加をやったんですかと言うと、いや、五千人の方にアンケートをいたしましたと。アンケートって、何を見せ たのと言ったら、初めからもう計画があるんですよね。この計画を見せて、自然との共生。こっちの自然と、こっちが住宅 地で、我が市においてはこれで自然との共生です、皆さんいかが思いますかと言ったら、それは自然と共生しましょう、う んと言うに決まっていますよ。
だけれども、自然との共生というのはいろいろあります。私の住んでいるところの目の前にある林を一緒に残して暮らし ていく、これも自然との共生だというふうに思います。そんなふうに選択肢が出ていないのに、アンケートをしてどうですか といって、自然との共生と書いてあったら、うんと言うに決まっているじゃないですか。
そこの部分がパブリックインボルブメントができていないなと僕は思う。それゆえに、住民運動とかというようなこと、要す るに、マンションの建設反対だとか宅地開発の反対だとかというような運動が起こってくる状況を生んでしまっているとい うふうに思うんです。僕自身、回答を実は持っていません。しかしながら、何らかの形で、構想段階でPI、パブリックインボ ルブメントをすることによって、何とかそんな厳しい反対運動や、暮らしていて突然自分の窓から見える山がなくなってし まうということを防げるんではないかというふうに思っているんです。
その辺、局長、何か自治体のリーダーシップというのが大事、情報公開で皆さんに意識を持ってもらうことが大事という のがありましたけれども、法制度でがちっとやってしまうことでもなく、その地域、事業の内容によって違うとは思うんです けれども、国交省として促すような、住民が急に山がなくなってびっくりしてしまうことがないようにするための何か施策と いうのは考えないといけないと思うんですが、行政のプロとしていかがお考えでございましょうか。
○澤井政府参考人 緑の事例を引いて御質問でございましたので、緑に関してまず申しますと、制度的には、建築行 為とか木を切ったりすることを基本的に制限する緑地保全地区という仕組みがございますし、それから、建築と緑がほど よく調和して保全されていく風致地区という、少しやわらかい制度もございます。そういうものが指定されていれば、今御 指摘のような現象は起きないわけであります。
都市計画を近隣について全部見ていれば、緑があるけれども、そういう制度がかかった緑なのか、かかっていない緑か ということもわかります。提案制度を活用して所有者の方ともいろいろなお話をして、ではそういったものをかけてこれを保 全しようということは十分可能だと思います。
ただ、一方で考えなければいけないことは、所有者には所有者の事情がございますし、もちろん、その土地をどのよう に使うかということは、都市計画等で決められたルールの中では自由であります。都市再生特別措置法のときの議論で も、事前明示性というような議論も相当申し上げましたけれども、一方で、そういった所有者側から見ますと、ここではそう いうルールがあるんだから、そのルールの中で建築行為をしたり木を切ったりはできるということも十分にしんしゃくする必 要があると思うんです。
そういった意味で、日ごろから、この辺の町をどうしたらいいかということをみんなが考えるような、先ほど、ホームページ で都市計画を常に示していろいろな質問、疑問にも答えるというような体制などが最も基礎的には有効なのかなというこ とを最近は考えております。
○大谷委員 情報を開示していって、意識を持って皆さんに見ていただくということが解決につながるんではないかとい うことでしたけれども、ホームページ、いろいろなネットが多い中で、ずっと見ているという人も少ないと思うので、やはり僕 はもとに戻って、何らかの形で常時まちづくりについて話がしに行ける、もしくは、どんなまちづくりを考えているんですか といって、行政から嫌な顔をされず邪魔にもされずに教えてもらえるような、そんなところを、市ではなくもう一つ大きな範 囲の中で常設していくような、そんなに人が要るわけではありませんから――必要があるのかな。そのことも意識を高め ていく努力になるのではないかなというふうに御提案をさせていただきたいというふうに思います。
今度できてくるガイドラインを楽しみにしながら、しつこくPIというテーマでこれからも頑張っていきたいというふうに思い ます。みんなでともにつくる町が、勝手に行政だけでつくった町よりかすばらしいんだ、事業者に任せただけの開発より か、いろいろな人が入って考えたものの方がすばらしいんだという方向性で、ぜひとも国交省の行政にもそんな意識で頑 張っていただきたいというふうに思いますし、私自身も、提案また点検させていただきたいというふうに思います。
ありがとうございました。
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