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第154回通常国会 衆-決算行政監視委員会第四分科会-3号 2002年07月22日
○大谷委員 おはようございます。大谷信盛でございます。
きょうは、運輸政策審議会の、平成元年五月三十一日に出ました「大阪圏における高速鉄道を中心とする交通網の整 備に関する基本計画について 答申第十号」、こういう名前がついておりますが、これの総括をさせていただきたいという ふうに思います。
まず最初、大臣にぜひとも大きな意味での総括をお述べいただけたらと思います。
○扇国務大臣 いつも大谷議員には、熱心に国土交通行政に対して関心をお持ちいただき、御質問いただいておりま す。
今御指摘ございましたように、大阪圏、大変難しいといいますか複雑といいますか、公的あるいは私的、あらゆる面が 大阪では入り組んでおります。しかも、お互いに乗り入れております。そういう結節点、そういう意味では、大阪は、鉄道 整備というものでは、平成元年の五月に、運輸政策審議会、御存じのとおり、今の交通政策審議会が答申をされました けれども、この高速鉄道を中心とする交通網の整備に関する基本計画につきましては、鉄道整備の目標年次を二〇〇五 年とする答申がなされているのは、今大谷議員が御指摘のとおりでございます。
新設路線二百十八・八キロ、そして複線化の路線百十四・〇キロを整備することとされておりますけれども、このうちの 新設につきましては、大阪市七号線、御存じのとおりでございますが、それから大阪モノレール線、そして京都市東西線 等の百八・四キロメートル、そして複線化につきましては、よく言われておりますけれども、JR西日本の奈良線それから 京阪電鉄の交野線等々四十三キロが既に営業中でございます。これも議員が御存じのとおりだろうと思います。また、 工事中の路線も、新設が三十七・三キロメートル、複線化が二十六・〇キロメートルと着実に整備が進んでおりますの で、そういう意味では、この大阪圏の交通網というものは着実に前進し、なおかつ近代化されつつある、そういう認識を大 谷議員もお持ちじゃないかと思います。
○大谷委員 着実に進んでいるという御答弁でございましたが、二〇〇五年、ことしが二〇〇二年でございますから あと三年ですけれども、私の一番よくわかるのは当然私の選挙区のことでございますので、例えば十三番に千里中央― 箕面中部、北大阪急行南北線の延伸とかとあるんですけれども、これは全く進んでいないわけなんです。
また、ほかのところでも、進んでいるところ、進んでいないところ、あるかと思うんですが、今後、これは、十四年の間に 大分社会状況も変わりましたので、その社会状況を踏まえて、見直しだとか、それは、やめるやめないもあると思います が、新しいものも必要になっていくんじゃないかとかというようなことも含めて、毎年なのか隔年ごとなのかわかりません が、何かレビューをしているようなことはありましたか。また、しようとすることはありますか。
○石川政府参考人 この答申につきましては今お話がございましたとおりでございますが、答申後、現在まで、大体計 画の四分の三ぐらいは、でき上がった、ないし建設中でございます。
それで、残ったところをどうするのかというお話でございますが、それぞれの線区によって事情が違いますし、今お話し のように、社会的な動向も変わっているところもございます。したがいまして、これをどうするかということでございますが、 大分時間もたってまいりました。そういう意味で、今後、社会情勢等の変化も踏まえまして、これをどうするかということに ついて、これから考えていきたいと考えております。
○大谷委員 私は、むだな公共事業はなくすべきだというふうには思いますが、必要な社会資本整備は、ある意味、 採算性がなくても、政府、国の責任、また自治体の責任でしっかりとやらなければいけないという考え方を持っておりま す。多分、局長も同じ考えだというふうに思うんですが、いかがですか。
○石川政府参考人 鉄道の整備は、このようにさまざまな方々の御意見を受けながら、一つの計画づくりで特に都市の 場合はやっているわけでございます。したがいまして、必要な路線というものをある程度計画的につくってございますが、 ただ、現実には、それがなかなかできないという状況もございます。
そういう中で鉄道をどう整備したらいいかということでございますが、基本的にやはり、そうはいっても鉄道は、でき上が った後運営をしなければなりませんので、どうしても採算性ということは考えていかなければいけないということでござい ます。
したがいまして、採算性がとれない、あるいは採算性に大変疑問があるという鉄道につきましては、採算性ができるよ うにするにはどうしたらいいか、そういう意味でどういうふうなバックアップをしたらいいかということまで含めまして広範囲 な議論が必要であるわけでございまして、必要だからつくるというふうに単純に言うのではなくて、やはり採算性をどうす るかということを十分考えた上で現実の建設に入るべきだと考えております。
○大谷委員 もう局長の方から基準についての議論に入ったので、それを深めていきたいと思うんですけれども。
これは、本当に採算性だけが一番正しい尺度なんでしょうか、僕は、そのほかにもいろいろな尺度がこれから二十一世 紀あってもいいのではないかというふうに思うんですが。今、広範囲にわたる議論というふうにおっしゃいましたが、その 尺度について、例えば環境の視点、例えば交通渋滞、車が多い。JR貨物の法案のときには局長とモーダルシフトについ て議論をさせていただきました。トラックで物を運ぶよりか、電車で運んで、公害、いわゆる環境の課題であったり交通渋 滞をなくしていこうという議論でしたが、全く同じことがここでも言える状況があるというふうに思うんです。
採算性が将来はとれるようにする、もちろん必要なことです。しかしながら、鶏が先か卵が先かの議論も出てくるという ふうに思うんですよね。そういうのがあって町ができていって、そこで多くの方が車ではなくて鉄道を使うようになって採算 性がとれるようになる、もしくは、反対に、町というものが開発で新しくできて、その後線路が引かれる、そしてここが採算 性がとれる。どっちが先かわからないところがあると思うんですが、尺度、基準について広範な議論というのは多分され ていると思うんですけれども、そういう観点というのは今までなかったのですか。必要だというふうに思うんですが、局長 はどう思われますか。
○石川政府参考人 鉄道をつくった場合に、いわゆる地域開発効果というのがございます。ところが、鉄道事業者の中 にそれを内包化するシステムというものをどうするかということがポイントだと思います。鉄道が敷かれ、地域が開発され、 それによって鉄道に収益が上がる。その間の時間の差というものがあります。鉄道はあくまでも事業として行いますもの ですから、その時間の差というかリスクというか、それをどのように鉄道に内部化するかということが大事だと思います。
先生御案内のとおり、例えば外国であれば、それを開発利益の還元と称しまして、地域の沿線の固定資産税をその分 上げて、それを例えば鉄道事業者に還元するとか、そういうふうなシステムがあって初めて鉄道事業者として安心して投 資ができるということだと思います。
残念ながら、現時点において、日本においては必ずしもそういう制度が制度化されておりません。そういうものにつきま しては、やはり、鉄道事業者がリスクを負ってまで新しい鉄道をつくる時代というのがだんだん減ってまいりました。そうい う中でどういうふうに国なり地域がそれをバックアップするかという議論だろうと思いますが、さまざまな観点での議論を深 める必要があると思っております。
○大谷委員 提案しようと思ったのを先に言われたんですけれども、まさにいろいろなシステムを考えれば、鉄道が安 全にその後も会社運営できる、要は鉄道輸送できるという仕組みがあると思うんですが、これは地域によっては個別に、 固定資産税がいいのかどうなのかわかりませんが、何らかの形での財政的後押しがしっかりとできる、基盤が安定する 方法というのはあると思うんです。
例えば私の地域ですと、この北大阪急行の場合、いわゆる千里中央というところまで地下鉄御堂筋線が来ておりま す。そして、それを二・五キロ延ばそうという計画なんですが、この千里中央周辺、朝のラッシュ時、とても車でいっぱいに なります。いわゆるキス・アンド・ライドで、車で送っていただいて、おりて電車に乗って通勤に行く。いわゆる郊外の住宅 地から大阪市内に通われている方が多いのですが、その周辺はやはり交通渋滞です。
御堂筋四百二十三号線がございますが、ここも車で渋滞で、夜ですと二十分で着く大阪市内が一時間半もかかってし まうような状態です。ですから、本当は電車で行きたいんだけれども、私の地域の人たちにとっては、どうしても千里中央 まで出ていかなければいけない。その分、車で送っていただく。そうすると、またこれは悪循環で渋滞がひどくなってい く。それなりに、もし、この二・五キロ延びて、もう少し箕面市の中に入って駅があったとするならば、その辺の地域はそん なに込んでいませんから、もっと円滑に通勤ができる。すなわち、渋滞がなくなるというようなことになるんです。
その二・五キロで採算性、多分、五万人とか六万人とかという数字を、一日乗るか乗らないかという議論がずっとされた りするわけですけれども、これが、たとえ三万でも、そういう基盤が、会社側の経営が安定するような財政的支援のシス テムをつくれば、ここのケースにおいては僕は十分延ばしていける価値があるというふうに思うんです。
必ずしも先に採算性ありで考えなくてもいいんじゃないかというふうに思うんですが、個別のケースで考えていくと、その 辺はどう考えますか。
○石川政府参考人 ただいま御指摘の北大阪急行線の延伸約二・五キロでございますが、私どもの試算によります と、この鉄道建設に当たって、約九百億から八百億円ぐらいかかる予定になっています。地下方式ですと約九百億円で ございます。高架で約七百三十四億円という試算になってございます。需要予測でございますが、一日当たり四万人か ら五万人というふうなケースでございます。
一つは、この場合にどういう運賃を取れるかということもあるわけですが、さまざまな運賃制度でありますが、やはり、そ う高い運賃は取れないということだろうと思います。そういう中で、どのように事業採算性をとるかということになりますと、 例えば、さまざまな補助金を入れ、さまざまな銀行の低利の融資を受けたとしても、現時点においては事業採算性が得 られないというふうなことでございますので、したがいまして、今の制度を超えた、利子のつかないお金をどうやって確保 するかということがやはり必要だろうと思っています。
先生お話しのように、それは将来は採算がとれるかもしれませんが、当面の建設資金あるいは運営資金というものも当 然必要なわけでございますし、そういうものを銀行が貸してくれるような採算性を整理しないと、やはり事業としては成り 立たないということでございます。したがいまして、これについては、現在いろいろなところで研究もしてございますけれど も、もう少し無償資金というものをどう入れるかということが一つのポイントだろうと思っております。
○大谷委員 それも確かにポイントだというふうに思います。しかしながら、ある意味、これはどの鉄道の許可もそうで すが、許可したと同時に補助金というものが必ずつきます。その補助金の額というものも、個別にいろいろな算出方法が あるんだというふうに思います。そこの環境だとか、繰り返しになりますが、例えば交通渋滞を緩和していくとかというよう な観点を入れて、補助金が多くなったり少なくなったりというようなことも一つ考えられるんではないかなというふうに思う んです。要するに、社会資本整備という観点から補助金が多くなったり少なくなったりするんですけれども、それはどうで すか。
簡単に言うと、例えば今まで、四分の一が国で、半分が会社で、そのまた四分の一が自治体、大阪の場合は、府、市 ということになるんですが、大体こんな大きな振り分け方だというふうに言われてきているんですけれども、そこのところは 個別の事業の目的によって変わってもいいんじゃないかというふうに思うんですが、それはどうですか。
○石川政府参考人 現行の補助制度が十分であるかどうかという御議論はあると思います。ただ、この鉄道は環境に 優しいから、この鉄道はどうだからということで、鉄道の間において格差をつけるということにつきましては、私は、どちら かと言えば、先生おっしゃるように、鉄道自体が基本的に環境にも優しいものでございますから、鉄道の中で差をつける というよりは、鉄道に対する助成制度をどう拡充するかという観点の中で、例えば環境の問題であるとか、そういうことが どこまで主張できるかということだと思います。
ただ、残念なことに、それは、いいものはいいのですけれども、やはり、環境にいいからといって赤字の鉄道をつくるとい うわけにはいかないということは御理解いただきたいと思います。
○大谷委員 それは理解いたします。わかりました。
鉄道と鉄道で比べるわけにいかないというならば、例えば高速道路だとか国道だとかというところと比べたら、鉄道の 方が環境に優しいわけですから、鉄道の方に予算を回そう、その分補助金がふえるとか。せっかく建設省と運輸省が一 緒になった国土交通省でございますからという大臣のいつものすばらしい看板言葉があります。それに沿って考えるなら ば、私は、そうやって自動車の部分を減らしてとかというようなことは、省庁の中での予算の割り振りの中で十分考えら れるというふうに思うんですが、いかがですか、局長。
○石川政府参考人 担当の局長として、当然、予算の増額、予算の確保ということにつきましては、精いっぱい努力し ているつもりでございます。
○大谷委員 済みません。テクニカルな話に戻りたいと思います。
今、例えば、この個別のケースで局長の方から数値を出していただいたんですけれども、地下を掘ったら九百億円、高 架だったら七百三十四億円というふうに聞いたんですけれども、これはどんなあれですか。僕は、もうちょっと安いんじゃな いかなというふうに思うんですけれども。これは局長がわざわざ計算してくれたんですか、それはどこからか出していただ いた数字ですか。
○石川政府参考人 失礼しました。この数字は、箕面市の調査報告書でございます。
○大谷委員 わかりました。
次に、私は、この審議会の中で、AランクとかBランクとか、言い方がちょっと違うんですけれども、ありますよね。これは どんな基準でお分けになっているのか、当時はそんな議論があったんでしょうが、もう一回ちょっと教えていただきたいん ですが。
○石川政府参考人 この答申を議論する場合に、やはりさまざまな要素がございますが、その中でも、非常に緊急性 の高いもの、あるいは実現性の高いものにつきましては、いわばAランクという形でございます。
ただ、繰り返しになりますが、さはさりとて、現実にできるかどうかということは必ずしも同じではございませんが、当時 の議論としては、やはり実現性の高いもの、緊急性の高いものを優先してやっていこうという議論だと思います。
○大谷委員 さっき四分の三が完工もしくは工事に入っているというふうに言われましたが、これは、Aランク、Bラン ク、C、Dランクぐらいまであるんですか。四つぐらい、五つぐらいのカテゴリーに分かれていますよね。A、Bはよく聞くんで すが、C、Dというランクの聞き方はしないんですけれども。二つ、A、Bだけですか。(石川政府参考人「はい」と呼ぶ)A、 Bだけですね。Aは、すぐに着工すべき、Bが、いわゆる二〇〇五年、平成十七年までに着工すべきということですよね。
これは、四分の三の中で、やはりAランクの方が先に終わったということなんですか。AとB、このときの分け方によっ て、着工、これは四分の三に、入っているものとまだできていないものが分かれているということなんですか。
○石川政府参考人 今申し上げましたように、Aランクの方が優先的にやるわけでございますが、先ほど御報告申し上 げた現在までの結果というものは、一部例外はございますけれども、基本的に、やはりAランクのものが実現化していると いうふうに御理解いただけたらと思います。ただ、もちろん例外もございます。
○大谷委員 ということは、もちろんBであったとしても、さっき最初に僕は見直しとかあったんですかというふうに聞い たんですけれども、そのことについての答えは余りなかったんですけれども、国土交通省としては、この平成元年のとき の方針に基づいてしっかりと二〇〇五年までにつくっていくということに変わりはないということですよね。
○石川政府参考人 私ども、基本的に、現在の答申、この線に沿って整備を進めていくということには変わりはございま せん。
○大谷委員 わかりました。ぜひとも、社会状況が変わってきている中、新しい付加価値を考えた上で、なおかつ、新 しいシステムを取り入れた上で、できるような努力を一緒にさせていただきたいなというふうに思っております。
次に、この鉄道の、大阪全体の話に移りたいんですが、僕の地域でいうならば、モノレールがあったり等々するわけで すけれども、今後、大阪の中で、もちろん府が考えることでもあるんですが、大阪の中でそれなりに交通渋滞を緩和して いくときの鉄道網の役割というものは十分議論されてきたというふうに思います。その結果、これが平成元年のときに出 てきたと思うんですが、これは、今後、今の社会状況を分析して、何か新しい鉄道網の役割について、この二〇〇五年以 降に考えるような議論というのは今出てきつつあるんでしょうか。もしあるとしたら、どんな内容のものなのか、教えていた だきたいなというふうに思います。先の先の話です。
○石川政府参考人 大阪の交通につきましては、従来大きなポイントがあったと思いますが、一つが、関西空港へのア クセスをどうするか、それから、大阪の東西の交通をどういうふうにするか、あるいは南北のさまざまな道路の下をどうす るかという幾つかの問題があったと思いますけれども、基本的に、今までのところ、関空のアクセスにつきましては一応 鉄道整備ができてございます。それから、大阪の東西につきましても、片福連絡線その他ができて、一応できていると思 います。
さらに、もう一つのポイントは、大阪の都心についてどういうふうにするかということでございまして、これにつきまして は、中之島新線でありますとか阪神西大阪線の延伸でありますとか、新しいプロジェクトにタッチしてございます。
それから、大阪の東の方につきましては、大阪八号線あるいは大阪の貨物線の旅客線化というふうな形で、東の方の 対応もしていると思います。
そういう意味で、大阪については、現在、ある意味で全般的に整備を進めているというふうに私は認識してございます が、さらにこれ以上の先の問題が何かという御質問でございますが、現在そういう整備を進めていく中で、これから考え ていきたいと思っております。よろしくお願いします。
○大谷委員 わかりました。その質問の答えも、裏返せば、今ここにある平成元年に決められた答申をしっかりと進め ていくことが何よりも先決だというふうに受けとめさせていただきました。私もそのとおりだというふうに思うので、ぜひとも ともに頑張っていきたいというふうに思います。
本当に新しい仕組みが二〇〇五年までに考えられるかどうかわかりませんが、採算性だけではなく、採算性がとれる ようにするためにも、環境や交通渋滞ということの観点を入れて、ぜひとも、財政措置を含めた上での許可というものを考 えていけるような、そんな方向性を見出していただけたらというふうに思います。
これにて質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
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