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第153回国会 衆議院 国土交通委員会 第3号 2001年11月27日
○赤松委員長 大谷信盛君。
○大谷委員 大阪選出、民主党の大谷信盛でございます。
きょうは、国内貨物の輸送、特に環境、物流効率、そして安全のバランスという観点から、大臣と御議論をさせていただきたいというふうに思っております。特に、国内貨物の九割を担っているのがトラック事業でございますので、このトラック事業を中心にして御議論をさせていただきたい、なおかつ政策実行のリーダーシップというものも含めてぜひとも御議論をさせていただけたらというふうに思っております。
約十一年前、平成二年に物流二法の新しい法律ができて、経済的には規制緩和で、そして社会的、いわゆる安全や環境ということでいうならば強化をして、我が国の国内物流、特にトラックの場合ですと近代化をしていこうじゃないかということで進んできました。その間、九七年には総合物流施策大綱であったり、ことしの七月にもそのものが新しくなって、物流効果を高め、環境負担の低い物流体系をつくっていこう、なおかつ安全も確立していこうということで進んでおるんですが、この進捗状況と、大きく目指そうとしているものについて、まず総論的な方向性について大臣にお伺いしたいというふうに思います。
○扇国務大臣 今大谷先生から、本年の七月の六日に新総合物流施策大綱を閣議決定いたしましたことについてお触れいただきましたけれども、私は、二十一世紀、国際社会の中で日本が取り残されるのではないかという懸念があるその大きな原因が、今大谷先生が御指摘になった物流の話だと思うんですね。
そして、今日まで、公共工事、悪く言われてきましたけれども、公共工事がなお不足しているという基本的な考え方の中に、今先進国の中では、少なくとも、空港でございますとか港とか、あらゆるところから高速道路に入ったり、あるいは主要都市に行ったりと、そのタイムラグが、余りにも日本は遅過ぎる、先進国では、世界では、十分以内にインターチェンジに入ったり、あるいは一時間以内に主要都市に入れたりということができますのに、日本の場合はそれがまだ達成できていない。
そのことが、物流の効率の悪さ、まして高速道路の料金の高さ等々、これも含めて、二十一世紀、世界で日本が取り残される大きな理由の一つが物流であるということから、今先生がおっしゃいました、本年、閣議決定されました新総合物流施策大綱によって、私は、コストの削減をすることでございますとか、先進国と同じように、船が港に着いて荷揚げの時間を少なくするとか、そういうあらゆる面で政府として対応をしていく。
中には、今先生がおっしゃいましたトラックの話もございますけれども、世界のコンテナの大きさと日本のコンテナの大きさ、高さが違うものですから、外国から船で着いたコンテナをそのまま日本のトラックに載せて通行すると、大型のコンテナ、外国のコンテナが通れないトンネルがいまだに数多くある。これも私は世界的には通用しない話だと思いますので、そういうあらゆる物流コストあるいは物流自体の効率化を図っていくのが国土交通省に課せられた大きな役目だと思っております。
○大谷委員 わかりました。
競争力を高めていくには、物流コストが低くなればなるほどありがたいわけなんですけれども、そこにはやはり安全と、なおかつ環境との観点というものが入ってこなければならないというふうに思います。
まず、このコストと安全ということで考えますと、高速道路の料金は余り安くなっていかない、軽油税が変わらないままでどんどん進んできている中、しかしながら現実を見ますと、料金、運賃、トラックでは届け出制ではあるんですが、実質、現実では、この届けた原価、料金、運賃よりか半分もしくは三分の二ぐらいで今トラックが動いている。要するに、企業努力をしているということなんですけれども、ある意味、無理な企業努力をし過ぎて、過積載もしくはドライバーへの負担でもって交通事故につながるような可能性が高いというような状況なんです。要は、外部環境が努力の割には余り進捗していなくて、料金だけがぐんぐん推し進められて、そこの部分で安全性というものが少しおろそかになってしまっている。
こんな状況の中、大臣は、この安くなり過ぎている運賃ということについてどのようにお考えですか。
○扇国務大臣 どこかにしわ寄せが来ているという大谷先生のお話、私はそのとおりだと思うんですね。
業者も、高度成長期には足りない足りないといってトラックをたくさん購入してしまった、なおかつ仕事量は減ってきた。
では、人件費を下げるのか、あるいはコストをどこで下げていくのかというところで、やはりどこかにしわ寄せが行っているという大谷先生の御指摘は、私はそのとおりだと思うんです。
これは運送業者のみならず、今、日本じゅうがこの中で苦しんでいるわけでございますので、その中では、今おっしゃいましたように、私は通常国会のときにも二十一世紀はソフトの時代だと申しました。それは、今まで、ただ走ればいいというハードとか、公共工事でもハードをつくりましたけれども、二十一世紀は環境とバリアフリーを考えたソフトの時代にしたいということを私は先生にも御返答申し上げたと思います。
私は、そういう意味で、トラックのしわ寄せがどこへ行っているのかということの基本的なもの、そして安全性が守られないということが最大限私どもにとっては問題点でございますので、それを業界と、意見聴取しながら、どこにどうしたらいいのかと。
仕事量が減っていることはもう現実でございますので、公共工事だって二〇%減っているわけでございますから、そういう意味で、より安全性の確保、しかも物流コストを下げて利益が上がるかということは、業界の皆さんと国土交通省担当者とが親密に話し合って、そして安全性を確保するためには何をするべきか、何が必要かという環境の問題を含めて私は検討させていただきたい、また、している現状でございます。
○大谷委員 ぜひとも安全、環境、そして物流の効率化というバランスを持ってこれからも進めていただきたいというふうに思います。
一つ気になったのは、九七年、最初の物流大綱のときにはあったのですが、新物流大綱のときには、いわゆるコストの低減というところが新しいものでは抜けているんです。ある意味安くなったからかなというふうに思うのですけれども、ぜひしっかりと、そのほかの安全や環境というところで力を注いでいただきたいなというふうに思います。
ここで一つ提案があるんですが、環境であり、コスト、物流効果を高めるということで、大きなトラックにたくさんの荷物を効率よく載せて走れば、交通渋滞もなくなるし、出てくる排ガスも少なくなるというのが当たり前の一つの方向性であるのですけれども、しからばこんなことが考えられるのではないかなというふうに思うのです。
今、いわゆる四トントラックというものがございます。これは、総重量八トンまでが普通免許で乗れるトラックなんですけれども。四トン荷物があるから四トン車を持ってこいというふうに荷主さんがおっしゃいます。しかしながら、その荷物を効率よく載せたり、荷物が大きいからクレーンやユニックなんかが必要であったりして載せていたり、また保冷関係の荷物を運ぶときはそれなりの冷蔵庫的なものがある、もしくは、荷物が汚れないようにガルウイングがついたような、屋根のついたようなトラックにする。そうすると、最高で四トン載せられるのですけれども、一トン、一トン半ということになってしまって、二トン半とか三トンぐらいしか積めなくなってしまう。しかしながら、いただいている料金設定を見ると二台使うわけにはいかず、一台を使って過積載になってしまう、そして安全性というものが損なわれてしまう。もしくは、運転手さんが週四十時間を超えてしまって、過労しているにもかかわらず、一日休みを返上してもう一回運転してしまうというような現実が起こっているというふうに聞きます。
しからば、初めから車のブレーキを強化し、サスペンションを強化し、普通車で乗れる総重量八トンのトラックを、十トンまでは普通免許で乗れるように。何が言いたいかというと、普通扱いであるからマーケットメカニズムに合致して何とか企業努力ぎりぎりのところで運賃を乗せてそれで少し利益が出る。大型になってしまうと、いわゆる高速料金であったり、行けるところも限られてきますから、サイズが同じであるのに高速道路ではたくさん負担をするというような、要するにマーケットメカニズムで料金が合わなくなってしまうということになるのです。
これが、もし総重量八トンが十トンということでも普通ということになるならば、荷物がたくさん載りますから、二台持ってこなきゃいけなかったところが一台で済むし、無理な過積載もしなくて済むというようなことになるというふうに思うのですが、これは国土交通省的にはどんなふうにお考えか、ぜひ御意見いただきたいと思います。
○洞政府参考人 お答え申し上げます。
いわゆるトラックの積載効率を高めるということは、先生おっしゃるとおり、物流の効率化とか環境負荷の低減に資するものでございまして、国土交通省としても、これは取り組むべき課題としてこれまで推進してきているところでございます。
その場合に、当然のことながら、安全の確保というものと調和していかなければなりません。自動車の安全の基準、あるいは環境の基準というものは、道路運送車両法という、保安基準というもので決まっているわけでございますけれども、その場合の規制区分としては、自動車の車両総重量というものがメルクマールとして使われる。これは世界的な傾向でございます。そういう意味で、大型トラックの規制においては、我が国のほかの諸制度との整合性を図りながら、車両総重量八トンというのが一つの区切りになっております。
車両法の観点からいいますと、車両総重量八トン未満の自動車、八トン車という自動車というものについて、四トンという最大積載量を維持しながら架装、クレーン等をつけたりするということは、車両総重量が八トンを超えることになりますので、先生おっしゃるとおり、ブレーキ性能などの安全規制をちゃんと満足するように改造を行えばこれは可能でございます。また、既にそういう架装を見越して、車両総重量が十トン程度であって、架装しても改造することなく要するに四トン積みを確保できるという自動車も流通しているという状況でございます。
○大谷委員 車両法的には二十五トンまでオーケーだから、それなりに強化、安全基準さえクリアすれば大丈夫ですよという御回答だったというふうに思うのです。
これは警察庁の方にお聞きをしたいのですが、これは免許証的には、やはり八トンを超えちゃいますから、今の法律ですと大型ということになってしまうのですけれども、その車が大型扱いされてしまったら、今言ったような運賃コスト、マーケットメカニズムに合わず、余り効果が上がらないことになるんです。その辺、安全性というものをかんがみて、このトラック、八トンから十トンに、サイズは変わらず重さがちょっとふえるということになるんですけれども、何とか普通扱いにするようなことは、安全の面から、また警察庁の方から見るとどんなふうに映るのか、お答えいただきたいというふうに思います。
○坂東政府参考人 お答えいたします。
普通免許で運転することができる自動車の車両総重量の上限というものを、これは現行八トン未満ということになっておりますけれども、これを例えば十トン未満まで拡大できないかというお尋ねだというように思います。
そこで、まず、事故の状況でございますけれども、車両一万台当たりの死亡事故件数を見てみますと、七トン未満の平均では一・〇二件でございますけれども、七トンから普通免許の上限である八トン未満までにかけましては三・五〇件ということで、七トン未満の約三倍以上の事故発生率ということになっております。それから、さらには、やはり車両総重量が多くなるに従って事故の発生割合は多くなるといった傾向にございます。
こうしたことから、現行の普通免許で運転できる自動車の範囲をさらに拡大するということは、道路交通の安全を確保する上で問題がかなりあるのではないか、問題が大きいのではないかと考えております。
それからまた、国際的な状況というのを見てみますと、道路交通に関する条約というのがございますが、この条約では、国際的に通用する運転免許証の様式におきまして、普通免許に相当する免許で運転することができる自動車の車両総重量というものを三・五トン以下というふうに定めております。そしてまた、主要国におきましては、普通免許の上限を三・五トンとしている国が最も多い。そしてまた、例えばドイツでは、九九年の一月に、従来は普通免許で七・五トンまで運転できておりましたけれども、これを三・五トンまで引き下げた、このように承知しております。
このような形で、車両総重量八トン未満という日本の現在の基準というものは、国際的な基準から見てみましても大幅に緩和されたものというようになっているのではないかと思います。したがいまして、普通免許で運転できる自動車の総重量を十トンまで拡大するということにつきましては、かなり難しいのではないか、このように考えているところでございます。
○大谷委員 今の御回答ですと、七トンから八トンぐらいのトラックの交通事故が多いから、これ以上重さが増すとますます安全性が損なわれるというような回答だったかというふうに思います。それから、ヨーロッパが三・五トンというのはヨーロッパのお話でございますので、我が国は我が国の、今近代化しようとしている大きな閣議決定をされた物流の効率化というものがあるんですから、それにのっとって考えていかなければいけないというふうに思っております。
私、では八トンで何で日本が切ったのか。普通自動車で何で日本は八トンまで乗れるのか。これは昭和三十五年に決まっているんですけれども、調べたんですけれども、余り明確な回答がないんですよね。とすると、八トンも十トンも、車のサイズでいえばこんなでかいわけですから、そんなに関係ない。
しかしながら、普通免許を取るときは、二トンのセダンで自動車の免許を取得いたします。二トンの車に乗った人が八トンの大きな大きなトラック、十二メートルに乗っているから、運転のトレーニングが足りなくて事故を起こすんじゃないかというようなことも分析されているそうですけれども、僕は、ちゃんとはっきり事故原因を分析してほしいのです。二トンのセダンで免許を取ってから、四トン、いわゆる十二メーターのトラックに乗るまでに何年か運転していると思うんですよ、死亡事故を起こした人は。それは、オン・ザ・ジョブ・トレーニングの形でトレーニングをして車を走らせていた、しかしながら、過積載であったり、もしくは過労のため、本当は休みなのに運転を強いられて、ドライバーへの負担が強くて事故を起こしてしまったということの方が事故理由として大きいんじゃないかなというふうに私は思っているんです。
何が言いたいかというと、それなりに今の説明は整合性があったように聞こえるのですが、もう二枚、三枚分析をしていくと、八トンのところで区切る理由、十トンになっちゃだめなんだという理由は、整合性が薄いのじゃないかなというふうに思っています。
時間がないから、もう提案をさせていただくのですが、確かに一理あって、普通自動車、二トンのセダンしか乗ったことのない人が大きなトラックに乗っているわけですから、これは何らかの形で、やはり事故が多いものを解決しようと思ったら、研修というか、何か講習を受けるようなシステムがあってもいいのかななどというふうに思っているのです。そのかわり、サイズ変わらず十トンに、重さだけ二トンふえたというような車の場合には、普通免許で講習を受けておればいいですよ、その講習を三年とか五年ぐらいの間で受けたらどうですかということでいうならば、ある意味、ドライバーとしての安全対策というものも施されて、実現可能ではないかなというふうに思うのです。
これは、物流を効率化していこうという閣議決定がされていることでございますので、ぜひともその安全と、最初言いましたように、効果そして環境というものをしっかりとバランスを持って、閣議、これは一月に省庁再編がありましたけれども、内閣府、総理大臣、しっかりとしたリーダーシップを発揮できるようにしたというふうになっていますので、それは、ぜひとも各省庁連携をしてやっていただきたいというふうに思います。
もう時間がないのでこれで終わりますが、また、局長の方も言いたいことがありそうですから、ゆっくりと委員会もしくは個別に意見交換をさせていただき、時間厳守で終わらせていただきたいというふうに思います。
ありがとうございました。
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